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ガイ・フォークス・ナイト——イギリス人が毎年11月5日に火を焚く理由

Bonfire Night(ガイ・フォークス・ナイト)はイギリス独自の祝祭。1605年の火薬陰謀事件から400年以上続く伝統の歴史、現代の楽しみ方、花火大会の情報を解説します。

2026-05-02
文化イベント歴史

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毎年11月5日の夜、イギリス中で巨大な焚き火が燃え、花火が上がります。ハロウィンでも年越しでもない。400年前に国会議事堂を爆破しようとして失敗した男の人形を燃やす——それがBonfire Night(ボンファイア・ナイト)、別名ガイ・フォークス・ナイトです。

1605年11月5日に何が起きたか

1605年、カトリック教徒のグループがプロテスタントの国王ジェームズ1世と議会を爆破する計画を立てました。36樽の火薬を議事堂の地下室に運び込み、国会開会式の日に点火する手はずでした。

実行犯として火薬の番をしていたのがガイ・フォークス(Guy Fawkes)。彼は11月5日未明に発見・逮捕されました。計画は密告によって事前に漏れており、当局は地下室の捜索で火薬とフォークスを見つけています。

フォークスは拷問の末に共謀者の名前を自白し、1606年1月に処刑されました。

なぜ400年経っても祝うのか

計画の阻止を祝う法律(Observance of 5th November Act)が1605年に制定され、毎年11月5日に感謝の礼拝と焚き火を行うことが義務付けられました。この法律は1859年まで有効でした。

法的義務がなくなった後も慣習として残り、現在では宗教的な意味合いはほぼ消え、「秋の夜の屋外イベント」として定着しています。子供たちが "Remember, remember, the fifth of November" という韻文を唱え、焚き火の上でガイ・フォークスの人形(Guy)を燃やし、花火を楽しむ。

アイロニカルなのは、国家転覆を試みた「犯罪者」のフォークスが、現代では反体制のシンボルとして再解釈されていることです。映画『Vフォー・ヴェンデッタ』のガイ・フォークス・マスクは、世界中の抗議運動で使われています。

現代のBonfire Nightの過ごし方

公共のイベント

各地の公園・広場で自治体やチャリティ団体が大規模なBonfire & Fireworks Displayを開催します。

有名なイベント:

  • Lewes Bonfire(イースト・サセックス): イギリス最大規模。複数のBonfire Societyが松明行列を行い、政治家や有名人の巨大な人形を燃やす。無料だが、混雑は激しい
  • Battersea Park Fireworks(ロンドン): チケット制。大人£12〜18程度
  • Edinburgh Fireworks(スコットランド): カールトン・ヒルから市街地を見下ろす花火

一般的な地域イベントのチケットは大人£5〜15、子供無料〜£5程度です。

家庭での花火と食べ物

イギリスでは一般市民がスーパーで花火を購入できます(18歳以上)。セットで£15〜60程度。定番の食べ物はToffee Apple(飴がけリンゴ)、Parkin(オートミールとジンジャーのケーキ)、焚き火で焼いたJacket Potato。

安全面と在住者の楽しみ方

花火の使用は23時〜7時の間は原則禁止(11月5日等は深夜1時まで延長)。違反すると最大£5,000の罰金です。ペットを飼っている家庭にとっては年間で最もストレスの高い日の1つで、動物愛護団体RSPCAが毎年保護ガイドを発行しています。

11月5日前後の1〜2週間は夜になると断続的に花火の音が響きます。近所の焚き火イベントに足を運ぶと、ホットチョコレートを飲みながら地域の人と話す機会になります。11月のイギリスの夜は5℃前後まで冷え込むので、厚手のコート・手袋・帽子は必須です。

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