英国でブッククラブに誘われたら——読書会文化が「コミュニティの入口」になる理由
英国では職場・地域・友人グループを問わずブッククラブ(読書会)が広く普及している。週1回、月1回のペースで開かれるこの文化が、在英日本人にとってのコミュニティ形成にどう機能するかを解説する。
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英国の職場で「Book club、参加する?」と聞かれたとき、何の集まりかわからなくて困惑した——そんな話は在英日本人の間でたまに聞く。
ブッククラブ(読書会)は英国でかなり一般的な文化的習慣だ。友人グループ、職場のチーム、地域の図書館、オンラインコミュニティと様々な形態があり、「一冊の本を読んで感想を話し合う」という活動がごく普通の社交になっている。
英国のブッククラブの規模感
英国のブッククラブ参加者数の正確な統計は存在しないが、Neilsen Book Researchなどの調査では英国が欧州でも読書習慣が高い国の一つとされている。Waterstones(英国の大手書店チェーン)、地方の独立系書店の多くがブッククラブ向けのイベントや割引を提供している。
月に一度、誰かの家かパブのコーナーで5〜12人が集まり、先月読んできた本を議論する。ワインやお茶が並ぶ。本の話が終わると近況報告になることも多い。
本の選び方はグループによる。持ち回りで選ぶ場合、多数決の場合、Goodreadsのリストから選ぶ場合など様々だ。
在英日本人にとっての意味
英国での友人作りは、日本と比べてある意味ハードルが高いと感じる人がいる。職場での表面的なやりとりから「プライベートの友人」に発展させるのに時間がかかる。
ブッククラブはこの壁を越えるための入口として機能することがある。本というテーマがあるから、「あなたのことをどれくらい知っているか」に関係なく話せる。意見の違いが出ても「本の話だから」という余白がある。
英語での議論が難しいと感じる人でも「この場面が好きだった」「主人公の判断に共感できなかった」程度の発言から参加できる。
日本人が選書に貢献できる
ブッククラブで「日本の本をリコメンドしてほしい」と頼まれることがある。
カズオ・イシグロの作品はすでに多くの英国人が知っている。少し新しいところでは村上春樹の英訳版が読まれることがあるし、谷川俊太郎の詩集の英訳、桐野夏生のミステリー(英訳あり)などが「日本人のメンバーが持ってきた選書」として受け入れられることがある。
日本の本を紹介するという役割は、コミュニティの中で「自分の場所」を作る一つの方法になり得る。英語での説明を考えてくるのも、英語力の実践的なトレーニングになる。
始め方
地元の図書館やWaterstones店舗でブッククラブの掲示板を探す、Meetup.comで地域の読書グループを検索する、職場で同僚に聞く——どれも現実的な方法だ。
「本が好き」という共通点だけで人とつながれる環境が、英国には整っている。