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ビザ・手続き

BrexitはEU在住英国人と英国在住EU市民に何をしたか——在住日本人への影響も含めて

2020年のBrexit発効後、英国在住のEU市民・EU在住の英国人が経験した法的地位の変化。日本人在住者へのビザ・就労・移動への影響を整理する。

2026-04-11
BrexitEUビザ英国移民在留資格国際情勢

この記事の日本円換算は、1GBP≒195円で計算しています(2026年4月時点)。

2016年6月の国民投票、2020年1月の正式離脱、そして2020年12月の移行期間終了——Brexitは段階的に英国の移民・旅行・就労の環境を変えた。

日本人にとって「英国の内部事情」に見えるかもしれないが、英国在住を考える人や、既に住んでいる人には直接影響する。

EU市民への影響(英国に住んでいたEU市民)

Brexit前、EU市民は英国に自由に居住・就労できた。Brexit後、その権利は消えた。

2021年6月までに「EU Settlement Scheme(EUSS)」に申請したEU市民は、Pre-Settled StatusまたはSettled Statusを取得でき、引き続き英国に住む権利を得た。申請しなかった人は法的地位が不安定になるリスクを抱えた。

実態として数百万人のEU市民がEUSSを申請し、多くが引き続き英国に在住している。ただし新規にEUから英国に移住する場合、今はポイント制移民システム(Points-Based Immigration System)に基づくビザ申請が必要だ。

英国人のEU渡航・在住への影響

Brexit前、英国人はEU加盟国に自由に在住・就労できた。Brexit後、それができなくなった。

英国人がEU諸国に長期滞在・就労するには、各EU加盟国の移民法に基づくビザが必要になった。フランスなら長期滞在ビザ(VLS-TS)、ドイツなら就労ビザ等だ。

観光としての短期滞在(90日以内)はビザ不要だが、それを超える在住は法的に複雑になった。これは英国人のEU移住を実質的に難しくした。

日本人在住者への影響

日本人にとってBrexitは「EU市民と同じ扱いになった」という変化ではない。日本人はBrexit前からEU市民の自由移動の恩恵を受けていなかったからだ。

ただし影響があるのは以下の点:

英国でのビザ取得:Brexitにより英国の移民政策が再設計された。現在の英国ビザ(Skilled Worker Visa等)は日本人も取得可能で、要件・費用は以下の通り:

  • スポンサー企業が必要(就労ビザの場合)
  • 最低給与要件(2024年改定後:年GBP 38,700以上、職種によって異なる)
  • ビザ申請費用:数百〜数千ポンド規模

Erasmus Programme(留学交流プログラム):英国はBrexitによりEUのErasmus留学プログラムを離脱した。EU圏の大学と英国大学の交換留学が制度的に難しくなった。日本の大学が英国と欧州両方に連携している場合、英国側の交流が変化している可能性がある。

通関・手続きの増加:EU-英国間の物品移動に通関手続きが必要になり、郵便・物流に遅延が生じることがある。英国在住者がEU内から物品を購入する際のコスト・手間が増えた。

Brexit後の英国は「EUから切り離されたが、独自の移民政策を持つ国」として再定義された。日本人在住者にとって最も実務的な影響は、ビザ要件の変化と英国とEU間の移動コスト増加だ。

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