英国のカウンシルタックス——賃貸でも払う地方税の仕組みと金額
イギリスのカウンシルタックス(Council Tax)の仕組み、金額の決まり方、免除・割引の条件。日本人在住者が渡英後すぐに直面する地方税の実務を解説。
この記事の日本円換算は、1GBP≒195円で計算しています(2026年4月時点)。
英国に引っ越して驚くことの一つが「カウンシルタックス(Council Tax)」の請求書だ。
日本には馴染みのない税目で、「賃貸でも住民が払う地方税」という点が特徴的だ。家賃とは別に毎月追加の税負担が発生する。金額・支払い方法・免除条件を知らずにいると、最初の数ヶ月で想定外の出費になる。
カウンシルタックスとは
地方自治体(カウンシル)が徴収する財産ベースの地方税だ。自治体のサービス(ゴミ収集・警察・図書館・道路整備等)の財源として使われる。
**住宅の価値(バンド)**によって税額が決まる。バンドはA〜Hの8段階で、1991年の不動産価値評価に基づく(現在も1991年評価を基準にしている)。
年間の金額目安(ロンドン・2024〜2025年度):
| バンド | 1991年評価額 | 年間カウンシルタックス(ロンドン平均) |
|---|---|---|
| A | £40,000未満 | £900〜1,200(約175,000〜234,000円) |
| C | £68,000〜88,000 | £1,300〜1,800(約254,000〜351,000円) |
| D | £88,000〜120,000 | £1,500〜2,200(約293,000〜429,000円) |
| F | £160,000〜320,000 | £2,000〜3,000(約390,000〜585,000円) |
ロンドン中心部・外郊でバンドと自治体によって大幅に異なる。月換算すると£100〜250(約19,500〜48,750円)の追加負担になる。
誰が払うか
原則として**その住宅に住む成人(18歳以上)**が払う。賃借人も払う義務がある。
オーナーが税金を払うわけではない点が日本と異なる。物件を借りても、カウンシルタックスは自分で払う必要がある。家賃に含まれる場合もあるが、確認が必要だ。
割引・免除の条件
25%割引(Single Person Discount):世帯内の成人(18歳以上)が1人だけの場合、25%割引になる。シングルで住む場合は必ず申請する。申請しないと満額請求される。
100%免除:以下に該当する場合に免除または猶予:
- フルタイムの学生(大学・カレッジ等)
- 外交官・外交スタッフ
- 重度の精神障害を持つ人
- 空き家(条件による)
日本人留学生・学生ビザ保持者は、フルタイム学生として免除の対象になる場合がある。大学から「Council Tax Exemption Certificate」を取得して自治体に申請することで免除される。
支払い方法
自治体から請求書が届き、月払い(通常10ヶ月分割または12ヶ月)または一括払いを選べる。インターネットバンキング・ダイレクトデビット(口座自動引き落とし)での支払いが一般的だ。
引越し時には旧居と新居のカウンシルタックスの両方を処理する必要がある。旧居の自治体に退去日を連絡し、新居の自治体に入居日を申告する——これを怠ると二重請求や未払い扱いになる。
渡英後の最初の手続きリストに「カウンシルタックスの申告」を入れておくことが、後のトラブルを防ぐ基本だ。