フラットホワイトは英国で生まれたわけではない——コーヒー文化の変容と独立系カフェ
英国のコーヒー文化は2000年代以降に急変した。スターバックス上陸、フラットホワイトの定着、そして独立系スペシャルティコーヒーカフェの台頭。在英日本人が楽しむロンドンのコーヒーシーンを解説する。
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フラットホワイトは英国発祥ではない。オーストラリアかニュージーランド発祥とされており(どちらの主張も根強い)、英国に入ったのは2000年代後半のことだ。
でも今や「英国のコーヒーといえばフラットホワイト」という印象を持つ外国人は多い。スターバックスのメニューに入り、どの独立系カフェでも注文できる。20年足らずで「標準」になった。
英国コーヒー文化の変遷
かつての英国コーヒーはひどかった、というのは英国人自身が言う。インスタントコーヒー(ネスカフェ)が自宅で飲む「コーヒー」の標準だった時代が長く、紅茶文化の国ゆえにコーヒーへの関心が低かった。
1998年にスターバックスがロンドンに進出し、2000年代にコスタコーヒー、プレタマンジェなどチェーン系カフェが爆発的に増えた。「店内でコーヒーを飲む文化」が急速に定着した。
その次のフェーズとして2010年代から独立系スペシャルティコーヒーカフェが増加した。サードウェーブコーヒーの影響を受けた、産地・焙煎・抽出に徹底的にこだわるカフェだ。Monmouth Coffee(ロンドン最古の部類に入るスペシャルティカフェの一つ)、Workshop Coffee、Allpress Espressoなどが代表例として語られる。
ロンドンのコーヒー価格
ロンドン市内のスペシャルティ系カフェのフラットホワイトは£4〜£5(約788円〜985円)が相場。チェーン系(コスタ、スタバ)は£3.5〜£4.5(約690円〜886円)程度。
日本と比べると割高だが、「コーヒー1杯に£5払う」行為に違和感がなくなるのが英国生活への適応の一段階とも言える。
テイクアウェイカップとReusable Cup文化
英国では持ち帰りコーヒーの「紙カップ」削減に向けた動きが続いている。多くのカフェで「自分のカップ持参で割引(10p〜50p程度)」を実施している。
KeepCupやFrank Greenなど繰り返し使えるコーヒーカップのブランドが普及しており、環境意識の高い英国在住者はマイカップを持ち歩く。これも在英生活の一つのスタイルになっている。
在英日本人とコーヒー
日本のサードウェーブコーヒー文化(Blue Bottle等)は英国のスペシャルティシーンと感覚が近い。ロンドンのスペシャルティカフェに入れば、日本のコーヒー好きが「ここは通える」と感じるレベルの品質がある場所は多い。
逆に「ドリップコーヒーをゆっくり飲む」文化は英国では少ない。エスプレッソベースのドリンクが主流で、ハンドドリップを出す店は一部のスペシャルティ店に限られる。日本式の喫茶店的なゆっくり感は、自分で作る方が現実的だ。