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英国のフードバンクは年間300万件以上の食料配給をしている——豊かな国の貧困問題

英国のフードバンク(食料銀行)はトラッセルトラストが運営する全国ネットワークが中心で、生活費危機を受けて利用者が急増している。在英日本人が知っておきたい英国の社会的現実を解説する。

2026-07-29
貧困フードバンク英国社会

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G7メンバーで世界6位前後のGDPを持つ英国で、フードバンク(食料銀行)の利用者が急増している。

トラッセルトラスト(The Trussell Trust)が運営するネットワークのデータでは、2023〜24年度に約300万件の食料パーセルが配給されたとされる(同組織の公式発表)。これはネットワーク全体の数字で、独立系フードバンクを含めると実態はさらに大きい。

フードバンクの仕組み

英国のフードバンクは原則として「バウチャー制」で運営されている。GP(かかりつけ医)、ジョブセンター(職業安定所)、学校のソーシャルワーカーなどが「フードバンク利用バウチャー」を発行する。このバウチャーを持参すると、3日分の食料パーセルが無料で受け取れる。

食料は地域住民・企業・スーパーマーケットからの寄付で賄われる。スーパーの出口に置かれた「Food Bank Collection Basket」(寄付用かご)は、英国のどの大型スーパーでも見かける光景だ。

生活費危機との関係

2022〜23年のエネルギー価格高騰と食品インフレ(一時的に食品の価格上昇が年率20%近くに達したとも報告された時期がある)が、フードバンク利用者の急増と重なっている。

「働いているのにフードバンクを使う」いわゆる「ワーキング・プア」の増加が問題視されており、英国政府・メディア・政治家の間で大きな議論になっている。

在英日本人とフードバンク問題

フードバンクの話題は英国の職場でも会話に出ることがある。「先月、スーパーに缶詰を寄付した」「職場でフードドライブをやっている」という日常的な文脈だ。

在英日本人がフードバンクに寄付するのは、英国社会への参加の一形態として合理的な選択肢だ。スーパーで少し余計に食品を買って寄付かごに入れるだけでいい。

一方で、もし自分や知人が経済的に困難な状況に陥った場合、フードバンクは「最後の手段」ではなく「あって当たり前のセーフティネット」として認識されている。

慈善文化との接続

英国では慈善活動(charity)への参加が非常に一般化している。フードバンクへの寄付、チャリティショップでの買い物、マラソン参加で募金集め——これらは英国人の日常の一部だ。

在英日本人が英国社会に溶け込む上で、この「チャリティ文化」への理解は意外と重要なポイントになる。職場での「どのチャリティを支援している?」という会話に参加できると、人間関係の幅が広がる。

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