スコットランドの夏に巨大な丸太を投げる——ハイランドゲームズという奇妙な祭典
毎年夏、スコットランド各地でハイランドゲームズが開催される。丸太投げ(ケーバートス)、石運び、袋パイプ演奏競技など独自の種目が揃う。歴史的背景と観光としての楽しみ方を解説する。
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6〜9月のスコットランドを旅すると、どこかの町で「ハイランドゲームズ(Highland Games)」に出会う確率が高い。
グラウンドの中央では、スカートのような民族衣装(キルト)を着た大男たちが丸太(ケーバー、長さ約5.7m・重さ約25kg程度)を垂直に立て、そのまま前方に投げる。正確に12時の方向に倒れたほど高得点だ。
何の競技かと思う前に、その非日常感に引き込まれる。
ハイランドゲームズの歴史
ハイランドゲームズの起源は9〜11世紀頃のスコットランドの部族社会に遡るとされる。戦士の身体能力を競い、王や族長への仕える者を選ぶための競技だったと伝えられている。
現在の形に近い組織化されたゲームズは19世紀のヴィクトリア朝に整備された。ヴィクトリア女王が1848年にバルモラル城(スコットランド)を購入してからスコットランドへの関心が高まり、ゲームズも公式行事として整備された。
現在は英国内だけでなく、スコットランド系移民が多いアメリカ・カナダ・オーストラリアでも開催される国際的な文化行事になっている。
主な競技種目
- ケーバートス(Caber Toss): 丸太投げ。遠さでなく方向の正確さを競う
- ストーンプット(Stone Put): 重い石(14〜26ポンド程度)を投げる距離を競う。現代の砲丸投げの原型
- ウェイトスロー(Weight Throw): 重錘を投げる。高さを競う競技もある
- ハイランドダンス: バグパイプの演奏に合わせた伝統的なダンスの競技
- バグパイプ演奏競技(Piping): 演奏の技術を競う
観光として参加する
ハイランドゲームズの多くは一般入場可能で、入場料はイベントによって£5〜£15(約985円〜2,955円)程度が多い。
スコットランドを夏に旅行するなら、開催日程を事前に確認して合わせて訪問する価値がある。有名なのはブレーマー(Braemar Highland Gathering)だが、地方の小さなゲームズも独自の雰囲気があってよい。
スカートに似たキルトを着た参加者と写真を撮る機会もある(迷惑にならない範囲で)。バグパイプの生演奏を間近で聞く体験は、英国旅行の中でも印象に残るものの一つだ。
在英日本人とスコットランド旅行
ロンドンからエディンバラまで電車で約4.5時間(LNER、Avanti等の特急)。格安航空(easyJetなど)でも1時間程度。
エディンバラを拠点にグラスゴー、ハイランド地方へとアクセスできる。スコットランドの夏は日が長く(夏至前後は夜10時頃まで明るい)、7〜8月は緯度を考えると比較的過ごしやすい。ただし天候は変わりやすく、防水ジャケットは持参が必須だ。