ロンドン32区の「性格」——どこに住むかで生活がこんなに変わる
ロンドンは32のバラ(区)と1つのシティからなる複合都市です。通勤圏内でも家賃、雰囲気、住民層は大きく異なります。在住者が感じる各エリアのリアルな空気感を紹介します。
この記事の日本円換算は、1GBP≒197円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。
ロンドンに住もうと決めたとき、最初にぶつかるのが「どの区(バラ)に住むか」という問いだ。
ロンドンは32のロンドン特別区(London Borough)と、シティ・オブ・ロンドン(金融街)からなる。「ロンドン」というひとつの都市のように見えて、それぞれのエリアは家賃水準も、人の雰囲気も、街の機能も大きく異なる。
通勤と家賃のトレードオフ
まず理解しておきたいのが、ゾーン制だ。TfLのチューブ(地下鉄)はゾーン1〜9に分かれており、中心部のゾーン1ほど家賃が高く、外縁になるほど下がる。
ゾーン1・2の物件は一人暮らし用スタジオで月1,500〜2,500ポンド(約30〜49万円)も珍しくない。ゾーン3〜4まで出ると月1,200〜1,800ポンド(約24〜35万円)程度の物件も増えてくる(相場は変動するため最新情報を要確認)。
通勤に30分かけても家賃を月200〜300ポンド(約4〜6万円)節約できるなら、どちらがいいか——これが多くのロンドン在住者が最初に計算することだ。
エリア別のざっくりとした特徴
East London(イーストロンドン) Shoreditch、Hackney、Bethnal Green——かつての労働者階級エリアが、現在はクリエイティブ産業・テックスタートアップの集積地になった。カフェ、独立系ギャラリー、サタデーマーケット。30代前後のプロフェッショナルに人気が高い。
South London(サウスロンドン) Brixton、Peckham、Dulwich——多文化的でエネルギッシュ。BrixtonはカリブC系文化の拠点であり、独自のバザーや音楽文化がある。比較的家賃が安めなエリアもあり、若い世代のアーティストが多く移り住んできた。
West London(ウェストロンドン) Notting Hill、Chiswick、Richmond——富裕層・外国人駐在員が多い。日本人コミュニティもActon周辺に集まっている。緑が多く、ファミリーに選ばれやすい。
North London(ノースロンドン) Islington、Highbury、Stoke Newington——リベラル・インテリ層の多いエリアという印象。カフェと独立系書店が多い。ファミリーにもカップルにも住みやすいという評判がある。
日本人コミュニティの分布
在英日本人は、ウェストロンドン(Acton、Ealing周辺)に一定数集まっている。日本食材店、日本語補習校、日本語コミュニティが機能しているため、最初のうちは心強い。ただし家賃はやや高め。
引越し前に必ずやること
物件内覧は複数エリアで行い、通勤時間を実際に測定してみること。夜の治安を感じるために夜間にも歩いてみること。Neighbourhood Policing Mapなどで犯罪統計も参照できる。
「ロンドンに住む」という一言の中に、全く違う32通りの生活がある。