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「大学に行けなかった人」が学位を取れる英国の仕組み——オープン大学という選択肢

英国のオープン大学は1969年設立の通信制大学で、入学資格不問・働きながら学位取得が可能。在英日本人にとっても英語力向上や資格取得の現実的な選択肢になり得る。

2026-07-03
教育オープン大学通信制

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英国の大学入学には通常、A-Level(大学入学資格)が必要だ。でも「入学資格不問」を掲げる国立大学がある。オープン大学(Open University)だ。

学費は通常の大学より安く、キャンパスに通う必要はなく、働きながら学位が取れる。1969年の設立以来、累計200万人以上の卒業生を輩出してきた(オープン大学公式発表)。

設立の背景:「知識は特権ではない」

オープン大学はハロルド・ウィルソン首相時代に構想された。「大学に行けなかった人、行く機会を逃した人に、大学教育を届ける」という明確な目的がある。

テレビとラジオを使った教育(当時のBBCが協力した)から始まり、現在はオンライン学習に移行している。学位プログラムから短期コースまで幅広く、学生の平均年齢は30代とされる。子育て中の親、フルタイムで働く社会人、障害を持つ人——そういった層が中心を占める。

「入学資格不問」とはいえ学位の社会的評価は高く、雇用市場では普通の大学の学位と同等に扱われる場合が多い。

費用の現実

英国居住者がモジュール(科目単位)を受講する場合の学費は、モジュールの規模によって異なるが、1モジュール(30クレジット相当)あたり£800〜£1,200(約15万8,000円〜23万6,000円)前後が目安。フルタイム学生の学費とほぼ同水準のことも多い一方、分割払い対応、学生ローン(Student Finance England)の利用も可能だ。

ただし、EUや国際学生扱いになると学費体系が変わる。英国居住かどうかがポイントになる。

在英日本人にとっての意味

英国に駐在・移住している日本人にとって、オープン大学は複数の文脈で検討対象になり得る。

一つは英語能力の実践的向上。課題を英語で書き、チューターからフィードバックをもらう体験は、語学学校とは種類の違う英語力を鍛える。

もう一つはキャリアの再構築。英国でのキャリアを本格的に考えるなら、英国の資格や学位は採用時に影響することがある。特にビジネス・法律・IT分野のプログラムは実用性が高い。

短期コースだけ取ってみるという使い方もある。OpenLearnというプラットフォームでは無料で学べるコースも多数公開されており、本格入学の前に試すことができる。

「大学に行った人」も使う

オープン大学の意外な使われ方として、すでに学位を持つ社会人が「追加の専門資格」として使うケースがある。MBA相当のプログラムや、心理学・社会福祉の専門資格など。

英国では「生涯学習」の概念が社会に浸透しており、40代50代が大学に戻ることへの違和感が少ない。職場でも「OU(オープン大学の略称)で学んでいる」と言うことが特に珍しくない。

日本から英国に来て「時間ができた」「キャリアを見直したい」と感じている人には、一度公式サイトを見てみる価値がある。コースの種類の多さに驚くと思う。

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