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OysterカードとContactless決済——ロンドンの交通費を最適化する方法

ロンドンの交通カードOysterとContactless決済の違い、Daily/Weekly Capの仕組み、在住者がZone別に交通費を最適化する実践的な方法を解説。

2026-05-04
OysterContactlessロンドン交通

この記事の日本円換算は、1GBP≒195円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(GBP)の金額を基準にしてください。

ロンドンの地下鉄(Tube)で現金で切符を買うと、Zone 1内の片道が£6.70(約1,307円)。同じ区間をOysterカードかContactlessで乗ると£2.80(約546円)。倍以上の差がある。ロンドンの交通費は高いと言われるが、支払い方法によって大きく変わる。最適化の方法を知っているかどうかで、月に数千円から1万円以上の差が出る。

OysterカードとContactlessの基本

Oysterカード: TfL(Transport for London)が発行するICカード。2003年に導入され、ロンドンの公共交通のスタンダードになった。デポジット£7(約1,365円)を払って駅の窓口や自動販売機で購入。チャージ(Top up)して使う。

Contactless: Visa、Mastercard、American Expressなどのタッチ決済対応カードやスマートフォン(Apple Pay、Google Pay)で、そのまま改札にタッチして乗車する方法。2014年にTfLが導入した。

現在、ロンドンの交通でOysterとContactlessの料金は基本的に同じだ。ではなぜ2つの選択肢があるのか。

Daily Cap(1日上限額)の仕組み

OysterとContactlessには「Daily Cap(1日上限額)」が設定されている。1日にどれだけ乗っても、この上限を超えて課金されることはない。

Zone 1のみ: Daily Cap £8.10(約1,580円) Zone 1-2: Daily Cap £8.10(約1,580円) Zone 1-3: Daily Cap £9.60(約1,872円) Zone 1-4: Daily Cap £11.70(約2,282円) Zone 1-5: Daily Cap £13.90(約2,711円) Zone 1-6: Daily Cap £14.90(約2,906円)

例えば、Zone 1-2間を1日に5回乗り降りしても、課金は£8.10で止まる。4回目以降は実質無料だ。

Weekly Cap(週間上限額)

Contactlessには「Weekly Cap」もある。月曜から日曜の1週間で課金額がこの上限に達すると、それ以上は課金されない。

Zone 1-2: Weekly Cap £38.40(約7,488円) Zone 1-3: Weekly Cap £45.20(約8,814円)

注意点として、Weekly CapはContactlessのみに適用される。Oysterカードには月曜〜日曜の自動Weekly Cap機能がない。Oysterで同等の恩恵を受けるには、7-Day Travelcard(7日間定期)を別途購入する必要がある。

7-Day Travelcard(Zone 1-2)は£38.40で、ContactlessのWeekly Capと同額。しかしContactlessなら購入手続きが不要で、使った分が自動的にCapに引っかかる。ここがContactlessの利点だ。

OysterよりContactlessを選ぶべき理由

2024年現在、在住者にとってはContactlessのほうが利便性が高い。理由は以下の通り。

  1. Weekly Capの自動適用: 上述の通り。
  2. チャージ不要: 銀行口座から自動引き落とし。残高不足で改札で止められる心配がない。
  3. デポジット不要: Oysterのデポジット£7が不要。
  4. 複数カード不要: 通勤にも買い物にも同じカードを使える。

ただし、Oysterが有利なケースもある。

  1. 子ども・学生向け割引: 11-15歳用のZip Oyster、16-17歳用のOyster、学生用の18+ Student Oysterには割引が適用される。Contactlessにはこの割引がない。
  2. Railcard割引の適用: National Railcardの割引(1/3 off)をOysterに紐づけることで、オフピーク時のTube/バス料金も1/3割引になる。Contactlessでは不可。

ピーク vs オフピーク

ロンドンの交通料金は時間帯によって異なる。

ピーク: 平日06:30〜09:30、16:00〜19:00 オフピーク: それ以外の時間帯と、土日祝日の終日

Zone 1-2の片道料金は、ピーク£2.80、オフピーク£2.10。この差は小さく見えるが、毎日の通勤で積み重なると月£14〜28(約2,730〜5,460円)の差になる。

もし始業時間に柔軟性があるなら、9:30以降に出勤するだけでオフピーク料金が適用される。Daily Capもオフピークのほうが低い。

バスの料金体系

ロンドンのバスは均一料金£1.75(約341円)で、Zone関係なし。1日のバスのDaily Capは£5.25(約1,024円)で、4回乗れば上限に達する。

バスにはOysterかContactlessのみ——現金は使えない。2014年から現金での支払いは廃止された。

バスからバスへの乗り換え(Hopper fare)は、最初のタッチから1時間以内の2回目の乗車が無料。つまり、乗り換え1回を含む移動なら£1.75で済む。

Travelcard(定期券)は買うべきか

月単位の通勤なら、Monthly Travelcardという選択肢もある。Zone 1-2で£147.50/月(約28,763円)。

ContactlessのWeekly Cap(£38.40×約4.3週≒£165)と比較すると、Monthly Travelcardのほうが月£17.50ほど安い。ただし、休暇や在宅勤務で週1〜2日乗らない日がある場合は、Contactlessの「使った分だけ」のほうが安くなることが多い。

在宅勤務が週2日以上ある人は、Travelcardを買わないほうが得になるケースが大半だ。

在住日本人向けの実践的なアドバイス

Railcard+Oysterの組み合わせ: 26〜30歳なら「26-30 Railcard」(年間£30)、それ以外でも「Two Together Railcard」や「Network Railcard」が使える場合がある。Railcard割引をOysterに登録すると、オフピークのTube/バス料金が1/3割引になる。年間の節約額は£100〜200(約19,500〜39,000円)にもなりうる。

Apple Pay/Google Payの注意点: 海外発行のクレジットカードでも使えるが、為替手数料が上乗せされる場合がある。イギリスの銀行口座に紐づいたデビットカードで支払うのが最もコスト効率が良い。

ロンドンの交通費は確かに高いが、仕組みを理解すれば無駄な出費をかなり抑えられる。最初に選ぶ支払い方法と、ピーク/オフピークの意識だけで、年間の交通費が数万円変わる。

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