ロンドン外の賃貸事情——地方都市・郊外居住の現実
ロンドンの家賃は日本人の感覚でも高い。マンチェスター・エディンバラ・リーズ等の地方都市を選ぶ在住者の現実と、ロンドンとのトレードオフを整理する。
この記事の日本円換算は、1GBP≒195円で計算しています(2026年4月時点)。
ロンドンの1ベッドルームアパートの家賃は、2024年時点で中央値が月£2,000超(約390,000円超)だ。給与水準が伴えば成立するが、そうでない場合は郊外・地方都市という選択肢を検討することになる。
ロンドン内の賃貸相場(2024年参考値)
| エリア | 1ベッドルーム/月 | 2ベッドルーム/月 |
|---|---|---|
| ゾーン1(シティ・ウェストエンド) | £2,500〜4,000(約487,500〜780,000円) | £3,500〜6,000(約682,500〜1,170,000円) |
| ゾーン2(ブリクストン・クラプトン等) | £1,800〜2,500(約351,000〜487,500円) | £2,400〜3,200(約468,000〜624,000円) |
| ゾーン3〜4 | £1,400〜1,900(約273,000〜370,500円) | £1,800〜2,500(約351,000〜487,500円) |
地方都市の賃貸相場(2024年参考値)
| 都市 | 1ベッドルーム/月 | 2ベッドルーム/月 |
|---|---|---|
| マンチェスター(中心部) | £1,100〜1,600(約214,500〜312,000円) | £1,400〜2,000(約273,000〜390,000円) |
| エディンバラ(中心部) | £1,200〜1,700(約234,000〜331,500円) | £1,600〜2,200(約312,000〜429,000円) |
| リーズ(中心部) | £900〜1,300(約175,500〜253,500円) | £1,100〜1,600(約214,500〜312,000円) |
| バーミンガム(中心部) | £900〜1,300(約175,500〜253,500円) | £1,100〜1,500(約214,500〜292,500円) |
| グラスゴー(中心部) | £800〜1,200(約156,000〜234,000円) | £1,000〜1,500(約195,000〜292,500円) |
ロンドンの約半額〜3分の2程度で中心部に住める。
各都市の特徴
マンチェスター
北イングランドの経済中心地。BBC・MediaCityUK(サルフォード)があり、メディア・テック系の求人が多い。日本食料品店(小規模だが存在する)、アジア食材店が充実している。日系コミュニティはロンドンより小さいが在住日本人グループがある。ロンドンへの電車は約2時間(Avanti West Coast)。
エディンバラ
スコットランドの首都。金融・観光・教育(エディンバラ大学等)が主産業。物価はロンドンより安いが近年上昇傾向にある。夏のエディンバラ・フェスティバルは世界最大規模の芸術祭で、8月は観光客が激増して家賃も一時的に跳ね上がる。気候はイングランドより冷涼で雨が多い。
リーズ
ウェスト・ヨークシャーの中心都市。法曹・金融・小売の求人がある。マンチェスターへのアクセスも良く(電車で約1時間)、両都市間を移動して仕事をするケースもある。
賃貸の実務
イギリスの賃貸契約で日本との大きな違いは以下の点だ。
References(身元保証書)
雇用主からの雇用証明、前家主からの推薦状、信用調査(クレジットチェック)が求められる。在英歴が短い場合や信用履歴がない場合、6ヶ月分前払い等の追加条件を課される場合がある。
Tenancy Deposit(預り金)
上限は家賃の5週間分(年収¥50,000未満の賃貸)または6週間分(それ以上)。退去時にTenancy Deposit Protection(TDP)スキームを通じて返却される。DPS(Deposit Protection Service)等の政府承認スキームに登録されているか確認すること。
Letting Agent手数料
2019年6月施行のTenant Fees Act(イングランド)により、テナント側への仲介手数料は事実上禁止されている(保証金・前払い家賃・ペット補償金等の限定的な費用のみ許可)。スコットランドは2012年に先行して禁止済み。
ロンドン以外を選ぶかどうかは、働く場所・仕事内容・ライフスタイルによる。リモートワーク可能な職種であれば、地方都市は「生活費を抑えて生活の質を上げる」に直結する選択肢になりうる。