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イギリスのSettled Status——EU市民権との関係と在留資格の確認方法

Brexit後のEU Settled Statusの仕組みと在留資格の確認方法を解説。日本人がイギリスで暮らす際に知っておくべきEU市民との制度の違いも整理します。

2026-05-02
Settled StatusBrexitビザ

この記事の日本円換算は、1GBP≒195円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(GBP)の金額を基準にしてください。

イギリスに住むEU市民は約360万人。その全員が、2021年6月30日までに「EU Settlement Scheme(EUSS)」への申請を迫られました。申請しなければ、翌日から不法滞在になる——Brexit前に20年住んでいても、です。

Settled Statusとは何か

EU Settlement Schemeは、Brexit後もイギリスに住み続けるEU/EEA市民のための在留資格制度です。2つのステータスがあります。

  • Settled Status(永住権相当): 申請時点でイギリスに5年以上継続居住していたEU市民に付与
  • Pre-settled Status(仮永住権): 居住5年未満のEU市民に付与。5年経過後にSettled Statusへ切り替え可能

Settled Statusを持つ人は、就労・就学・NHS利用・公的給付の受給がイギリス市民とほぼ同等に認められます。

日本人には直接関係しない——が、間接的に影響する

EUSSは日本国籍の人には適用されません。日本人は従来どおりSkilled Worker VisaやGlobal Talent Visa等の就労ビザルートでイギリスに滞在します。

ただし、間接的な影響は見落とせません。

パートナーがEU市民の場合: EU市民の配偶者・パートナーとしてEUSSに申請できるケースがあります(Family Permit経由)。日本人でも、パートナーがSettled Status保持者なら家族ビザの要件が変わります。

職場のEU出身同僚: Settled Status申請を忘れていた同僚が突然就労資格を失うケースが実際に報告されています。雇用主が在留資格チェックを厳格化した影響で、チーム体制が急変することもあります。

Pre-settled Statusの落とし穴

Pre-settled Statusは5年の有効期限があり、期限内にSettled Statusへ切り替えなければ失効します。2024年時点で、切り替え申請を忘れたまま有効期限が近づいているケースが相当数あるとされています。

英国内務省(Home Office)は2022年から「自動延長」制度を導入しました。Pre-settled Statusの有効期限が到来しても、本人がイギリス国内にいればステータスが自動的に2年間延長されます。ただし、この期間中にSettled Statusへの切り替え申請を行わなければ、最終的に資格を失います。

在留資格の確認方法

Settled Status/Pre-settled Statusの確認は、政府サイト「View and Prove your immigration status」(gov.uk)からオンラインで行えます。物理的なカード(BRPカード)は2024年末で段階的に廃止され、デジタル証明に移行しています。

確認に必要なもの:

  1. 申請時のメールアドレスまたは電話番号
  2. パスポートまたはID書類の番号
  3. 生年月日

雇用主や大家に在留資格を証明する際は、「Share Code」を発行して相手に提示します。有効期限は発行から90日間です。

Late Application(遅延申請)

2021年6月30日の期限を過ぎた場合でも、「合理的な理由(reasonable grounds)」があれば遅延申請が認められます。英国政府の公式ガイダンスでは、精神的・身体的な健康上の理由、子供や高齢者で自分で申請できなかった場合、制度を知らなかった場合などが例示されています。

2024年3月時点で、約90万件の遅延申請が受理されています(英国内務省統計)。

日本人在住者が押さえておくべきこと

EUSSは「自分には関係ない」と思いがちですが、パートナー・同僚・隣人がEU出身であれば制度の概要を理解しておく意味があります。パートナーがEU市民の場合は移民弁護士(immigration solicitor)への相談を早めに行う選択肢があります。初回相談料は£150〜300(約29,250〜58,500円)が目安です。

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