英国学生ビザとGraduate Routeの活用法
英国の学生ビザ取得から、卒業後2年間就労できるGraduate Routeへの切り替えまで。制度の仕組みと在英日本人学生が知っておくべきポイントを解説します。
この記事の日本円換算は、1GBP≒195円で計算しています(2026年4月時点)。
英国の学生ビザ制度は2021年の改訂以降、大きく整備された。ポイントベース制が廃止され、現在は「Student visa」として一本化されている。卒業後の就労を見据えた選択肢も広がっており、英国で学ぶ日本人にとっては以前より計画が立てやすくなった。
学生ビザの基本要件
取得に必要な主な要件(英国内務省 UK Visas and Immigration 公式情報):
- 英国のStudents Sponsor(認定教育機関)からのCAS(Confirmation of Acceptance for Studies)番号
- 英語力証明(B2レベル以上のIELTS Academic等)
- 学費と生活費をカバーできる資金証明(ロンドンの場合:月£1,334=約26万円 × 9ヶ月以上)
- 申請料:£490(約9万5,550円)+ 英国にいる年数分の Immigration Health Surcharge(IHS)
IHSは年£776(約15万1,320円)で、学生は割引率が適用される(2024年現在の料金。変更の可能性あり)。3年間の学士課程であれば3年分を一括で支払う形になる。
Graduate Routeとは
2021年7月に導入された。英国の認定大学(Higher Education Provider)で学士以上を修了した場合、卒業後2年間(博士課程修了者は3年間)、英国でフルタイム・パートタイムを問わず就労・求職ができるビザに切り替えられる。
ポイントは「雇用主のスポンサー不要」という点だ。Skilled Worker visaはスポンサー企業が必要だが、Graduate Routeはスポンサーなしで働き始められる。この2年間で就職先を確保し、その後Skilled Worker visaに切り替えるルートが現実的な流れだ。
申請はオンラインで完結し、申請料は£700(約13万6,500円)。
在英日本人学生が注意すること
卒業後すぐに申請する: Graduate Routeの申請は学生ビザの期限内に行う必要がある。学位授与式(Graduation Ceremony)を待つ必要はなく、成績証明書があれば申請可能だ。
スポンサーのCASが必要な状況を把握する: Graduate Route取得後、さらに別の学位課程に入学する場合は再度学生ビザが必要になる。Graduate Route期間中は別の学校に入学できるが、条件が複雑なため、UK VISAとイミグレーション専門の弁護士または大学の国際オフィスへの相談を推奨する。
給与水準の確認: Graduate Route後にSkilled Worker visaに切り替える際、職種ごとの最低給与要件(2024年4月時点で£38,700/年)を満たす必要がある。在籍企業が認定スポンサーであることの確認も必要だ。
制度は毎年変わりやすい。英国内務省(gov.uk/student-visa)の公式ページを定期的に確認することを前提とした上で計画を立てることが重要だ。