Skilled Worker Visaのスポンサー探しの現実
英国Skilled Worker Visaはスポンサー企業なしには申請できない。スポンサーの探し方、承認率、内定からビザ申請までの流れを在住者目線で解説する。
この記事の日本円換算は、1GBP≒195円で計算しています(2026年4月時点)。
英国で合法的に働くための主要ルート、Skilled Worker Visa。仕組みは理解していても、実際に申請できるかどうかは「スポンサーライセンスを持つ企業から内定をもらえるか」にかかっている。
制度の理解と現実のギャップ——ここに多くの人が躓く。
スポンサーライセンスとは何か
英国のすべての雇用主が外国人を雇用できるわけではない。雇用主はHome Officeにスポンサーライセンスを申請・取得している必要がある。2024年時点でスポンサーライセンスを持つ企業は約10万社以上(Home Office公表値)。
日本の大手企業の英国現地法人、コンサルティングファーム、ITテック企業、NHSを中心とした医療・福祉機関などが主な取得企業だ。中小企業はライセンス取得のコスト(政府手数料で数百ポンド〜)・事務負担を嫌って取得していないケースも多い。
つまり「スポンサーライセンスを持っていない会社への応募=ビザが出ない」ということになる。
現実的なスポンサー探し
LinkedInの求人検索では「Visa sponsorship available」「skilled worker visa sponsored」などのフィルターやキーワードで絞ることができる。ただし、記載があっても「既に英国で就労権を持つ方を優先」という採用担当者の本音があるケースは珍しくない。
政府公式サイト(GOV.UK)にはスポンサーライセンス保有企業の公開リストがある。これをダウンロードして、志望業界の企業がリストに載っているか確認する——これが実務上最も確実な方法だ。
給与要件に注意が必要だ。2024年4月以降、Skilled Worker Visaの最低給与基準は引き上げられ、職種によるが標準的な下限は年間£38,700(約755万円)となっている(一部職種は異なる)。この水準を下回る内定ではビザが下りない。
内定からビザ申請までの流れ
- 企業から「Certificate of Sponsorship(CoS)」の発行を受ける
- CoS番号を使ってオンラインでビザ申請
- 政府手数料を支払う(申請料£719〜+IHSと呼ばれるNHS利用料)
- 生体情報の登録(VISAセンターに出頭)
- 審査(標準で3週間程度)
IHS(Immigration Health Surcharge)は渡航前に支払うNHS利用料で、2024年1月から年間£1,035(約20万円)に引き上げられた。3年ビザなら£3,105(約60万円)を一括で払うことになる。家族帯同なら人数分かかる。
日本人が直面するよくある課題
職種のスキル要件(RQFレベル3以上相当)を満たしていても、英語力証明(IELTS等)が求められる点が壁になることがある。日本での職歴と英国での資格認定が直結しない分野(医療・法律・会計など)では追加手続きが必要なことも多い。
スポンサーを見つけること自体が採用活動であり、ビザ手続きはその後についてくる。「先にビザを取ってから職探し」という順序は成り立たない制度設計を理解してから動くと、無駄な動きが減る。