文化・社会構造の分析
「4」と「死」——香港のフラット番号と迷信の経済学
香港では4階・14階・24階のないビルが多い。縁起の悪い数字を避ける文化が不動産価格に影響する——数字の迷信が経済合理性と交差する香港の現実。
2026-06-20
迷信数字不動産
この記事の日本円換算は、1HKD≒19.5円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。
香港のマンション・アパートのエレベーターパネルを見ると、「4」の階がないことに気づく。1・2・3・5・6……。4階は「4」が死(廣東語でハイと発音し、4のシーと同音に近い)を連想させるとして、建物によっては4・14・24などの階番号を使わない慣行がある。
数字の吉凶
香港(広東語圏)における数字の縁起観:
- 4(シー): 不吉。「死」に近い音
- 8(バート): 吉。「發(ファット)」(繁栄・財運)に音が近い
- 6(ロク): 吉。スムーズ・順調の意味
- 9(カウ): 吉。長久・長生きの意味に通じる
- 14(サップシー): 「必死(必ず死ぬ)」に音が近いとして不吉
- 18(サップバート): 「一定發(必ず繁栄する)」として吉
不動産価格への影響
「8」の付く部屋番号・フロア番号・電話番号は、それ以外のものより高く取引されることがある(推定)。特に「888」などのゾロ目は縁起がよいとされ、プレミアムが付く。
車のナンバープレートでも「8888」などは高額オークションの対象になることがある(推定)。
外国人はどう感じるか
在住の欧米人や日本人の中には、4階の部屋が空いているなら好都合とばかりに借りる人もいる。縁起を気にしない分、好条件の部屋を他より安く借りられることがあるためだ。
「迷信に合理性を見出す人たち」と「迷信に乗じて得をする外国人」——同じ建物の中でこの二つの価値観が共存する。それが香港の混合文化の一面だ。
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