飲茶のエチケット:香港人が当たり前にやっていること10のこと
飲茶(ヤムチャ)は広東文化の核心だが、知らないと恥をかく暗黙のルールがある。お茶の注ぎ方・注文の仕方・席の取り方・お礼のしぐさ……香港の飲茶文化を正しく楽しむために。
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香港の飲茶(ヤムチャ)に初めて行ったとき、「誰かがテーブルを叩いている」のを見て驚いた。怒っているわけではない。それは感謝のしぐさだ。
飲茶には、知っていれば何でもないが知らないと戸惑う慣習がいくつもある。
1. お茶を注いでもらったらテーブルを指で叩く
誰かがお茶を注いでくれたとき、人差し指か中指の先端でテーブルを2〜3回軽く叩くのが感謝のしぐさだ。
起源は「ひれ伏してお礼をする代わり」という説がある。指をひざまずいた人に見立てているとも言われる。店員に注いでもらったとき・同席の友人に注いでもらったときに使う。
2. 食前に茶杯・皿・箸を熱湯で洗う
注文後に熱湯が出てくることがある(頼まないと出ない場合も)。これで茶杯・皿・箸などをすすぐ行為は「潔具(ジェッグー)」と呼ばれる衛生的な習慣だ。香港の茶楼では当たり前の儀式。
3. ティーポットのふたは半開きにしてお湯のお代わりサイン
ポットが空になったらふたを少し開けた状態にして置いておく。これが「お湯を足して欲しい」というサイン。言葉でなくてもスタッフが理解して補充に来る。
4. 点心の注文はメモ帳・チェックシート・口頭
旧来の大きな茶楼ではワゴン車(カート)で点心が運ばれてきて、好きなものを取る方式がある。最近はメニューにチェックを入れる方式が多い。
食べたい種類を事前に決めてから行くか、「何が今日のおすすめ?」と聞くのも有効だ。
5. 腸粉は食べる直前に醤油をかける
腸粉(チャンフン)に最初から醤油をかけてしまうと、生地が水を吸って食感が変わる。別添えのソース(甜醤・老抽・芝麻醤)は食べる直前に少量かける。
6. 点心は「2〜4人で3〜5種類」が目安
一人1〜2種類は少なすぎる印象を与えることがある。食べきれるかどうかを気にしすぎず、2〜3皿を並べて少しずつ食べるスタイルが香港の飲茶らしい。
7. お茶の種類を最初に決める
プーアル(普洱)・菊花(菊花茶)・香片(ジャスミン茶)・龍井(ロンジン)など、最初にお茶の種類を聞かれる。特にこだわりがなければ「熱プーアル」が万能。
8. 相席が普通
週末の人気飲茶店では見知らぬ人と同じテーブルに相席になることが普通。「介意唔介意我坐呢度?(ここに座っていいですか?)」と一言言ってから座るのが礼儀だが、混雑時は黙って座る場合も多い。
9. 会計は先にもらって後払い
食べ終わったら「埋單(マイダン、お会計)」とスタッフに声をかける。会計書を持ってきたら確認してからカウンターか、テーブルで支払う。
10. 週末の飲茶は待ち時間を覚悟する
人気の茶楼は週末の朝9時〜12時が混雑ピーク。30分〜1時間待つこともある。平日の早朝(7〜9時)は比較的空いているので、地元感を楽しむなら平日の朝がおすすめだ。
飲茶は「作法を知っているかどうか」より「楽しんでいるかどうか」が大事だ。でも知っておけば、より自然に溶け込める。広東文化への入口として、飲茶は最もアクセスしやすい体験のひとつだ。