ビジネス・起業
香港で会社を設立する|手続き・費用・税制の基本
香港での会社設立(有限責任会社)の手続き・費用・法人税・維持コストを解説。日本人が香港法人を作るメリットと現実的なデメリットも整理。
2026-04-12
会社設立起業法人税ビジネス香港
この記事の日本円換算は、1HKD≒19.5円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(HKD)の金額を基準にしてください。
香港で会社を設立すると言うと「タックスヘイブン」「節税目的」という文脈で語られがちです。が、実態はもう少し複雑です。設立は簡単で安いけれど、維持コストと実務負荷は想定より高い。目的と規模に合わせた判断が必要です。
香港の会社形態
最も一般的なのは「Private Company Limited by Shares(私人有限公司)」、いわゆる有限責任会社です。最低1名の株主・1名の取締役・1名の会社秘書(Company Secretary)が必要です。取締役は個人でも法人でも可、株主と同一人物でも問題ありません。
設立手続きと費用
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| Companies Registry(会社登記局)登録料 | HKD 1,720(オンライン申請) |
| Business Registration(事業登録証) | HKD 2,000程度/年 |
| 秘書サービス(代行会社利用の場合) | HKD 3,000〜8,000/年 |
| 登録住所費用(バーチャルオフィス) | HKD 2,000〜5,000/年 |
| 合計(初年度概算) | HKD 10,000〜20,000程度 |
申請から設立完了まで、オンラインなら1〜4営業日で登記証が発行されます。日本の法人設立(数週間〜)と比べると圧倒的に速い。
税率
| 税目 | 税率 |
|---|---|
| 法人利益税(Profits Tax) | 最初のHKD 2,000,000まで8.25%、超過分16.5% |
| 配当課税 | なし(香港は配当に課税しない) |
| キャピタルゲイン税 | なし |
| 消費税(VAT相当) | なし |
香港の法人税は「香港源泉所得」にのみ課税されます。香港外で稼いだ収益は理論上は課税対象外ですが、「香港源泉かどうか」の判断には実態が問われます。
維持コストの現実
設立は安いが、維持には毎年コストがかかります。
- 年次申告(Annual Return): 約HKD 105/年(定額)
- 監査: 法律上、全ての香港法人は年次監査が義務。小規模でも監査費用は HKD 8,000〜30,000/年以上
- 会計・税申告: 別途 HKD 5,000〜15,000/年程度
年間最低でもHKD 20,000〜50,000(約39〜97.5万円)程度の維持コストが現実的ラインです。収益がゼロまたは小さい状態での維持はコスト的に合いません。
日本人が香港法人を使うパターン
有効なケース:
- 香港や中国・アジアを拠点にしたビジネスを行う
- 国際的なクライアントへの請求先として香港法人が望ましい
- 中国本土との取引窓口として活用
注意が必要なケース:
- 実態が日本にあるのに節税目的のみで香港法人を使う場合、日本の「外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)」の適用対象になる可能性がある
- 日本居住のまま香港法人を持つ場合、税務上のリスクを十分理解してから判断することが重要
会計士・税理士(香港・日本双方)への相談を経てから設立するのが堅実な進め方です。
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