香港にペットを連れてくる手続きは、4ヶ月前から始まる
香港へのペット持ち込みには特別許可証・マイクロチップ・狂犬病抗体検査が必要で、出発国によって検疫期間が異なる。日本からの犬・猫の持ち込み手続きを具体的に解説する。
この記事の日本円換算は、1HKD≒20円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(HKD)の金額を基準にしてください。
香港への移住が決まり、ペットを連れていく。そう決めた瞬間から、渡航の4ヶ月前には手続きを始める必要がある。書類の不備が1つあれば、空港で入境を拒否されるか、到着後に最大4ヶ月の検疫隔離になる。
出発国によるグループ分け
香港の漁農自然護理署(AFCD、Agriculture, Fisheries and Conservation Department)は、犬・猫の輸入元をグループ分けしている。
| グループ | 主な国 | 検疫期間 |
|---|---|---|
| グループ1 | 日本、オーストラリア、ニュージーランド、英国、アイルランド | なし〜短期 |
| グループ2 | 米国、カナダ、EU諸国、台湾 | なし〜30日 |
| グループ3 | 上記以外の国 | 最大120日(4ヶ月) |
日本はグループ1に分類されている。条件を満たせば、到着後の検疫隔離なしで入境できる。ただし「条件を満たせば」の部分が重い。
日本から香港への手続き(犬・猫)
ステップ1: マイクロチップ装着 — ISO規格(ISO 11784/11785)のチップを動物病院で装着。装着済みならISO対応か確認のみ。
ステップ2: 狂犬病ワクチン接種 — マイクロチップ装着後に接種。犬は法律で義務、猫は任意だが香港輸入には必須。接種証明書を保管する。
ステップ3: 抗体検査 — ワクチン接種後30日以上経過後、指定検査機関で狂犬病中和抗体検査。結果は0.5 IU/ml以上が必要。日本の指定機関は一般財団法人生物科学安全研究所など。結果が出るまで2〜3週間。結果は採血日から2年間有効。
ステップ4: 香港の特別許可証取得 — AFCDに「Special Permit to Import Dog/Cat」をオンライン申請。ワクチン証明・抗体検査結果・マイクロチップ番号が必要。手数料HKD 432(約8,640円)/頭、審査に2〜4週間。
ステップ5: 日本側の輸出検疫 — 出発7日前以内に動物検疫所で検査を受け、輸出検疫証明書を取得。NACCSで事前予約が必要。
ステップ6: 渡航 — 小型犬・猫はキャリーケースで機内持ち込み(6〜8kg以下)、中〜大型犬はIATA基準ケージで貨物室。航空運賃は片道HKD 2,000〜8,000(約40,000〜160,000円)。
ステップ7: 香港到着 — 空港のAFCDカウンターで書類確認。不備がなければ1〜2時間で入境許可。日本はグループ1なので検疫隔離なしで自宅に帰れる。
かかる費用の合計
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| マイクロチップ装着 | 3,000〜5,000円 |
| 狂犬病ワクチン | 3,000〜5,000円 |
| 抗体検査 | 8,000〜15,000円 |
| 香港特別許可証 | HKD 432(約8,640円) |
| 日本輸出検疫 | 無料 |
| 航空運賃(ペット) | 40,000〜160,000円 |
| 合計 | 約63,000〜194,000円 |
ペット輸送代行業者に依頼する場合は、上記に加えて代行手数料がかかる。日本→香港の代行で100,000〜200,000円程度が相場。
香港でのペット生活
犬は5ヶ月齢以上でAFCDへの登録が義務。年1回の狂犬病ワクチン接種も必要になる。動物病院は私立が主流で、診察料は1回HKD 300〜600(約6,000〜12,000円)。日本語対応の獣医は少ないが英語対応は一般的だ。ペットフードはロイヤルカナンやヒルズが現地で入手でき、価格は日本と同等〜やや高め。
散歩の面では、公園の犬立入制限が多く、ドッグランも各区にあるが数は限られる。住居面積が狭い香港では、小型犬の方が生活しやすい。
よくある失敗と対策
抗体検査結果の2年有効期限切れ、マイクロチップのISO規格不一致、航空会社のペット枠予約漏れ——いずれも出発直前に気づくと渡航延期になる。4ヶ月前から書類を1つずつ揃えれば問題ないが、2ヶ月前に慌てて始めると間に合わない。ペットの渡航は、人間の渡航より早く準備を始める必要がある。