7月1日の香港:返還記念日が持つ複雑な感情
1997年7月1日のイギリスから中国への香港返還から、2024年で27年が経過した。返還記念日はどんな日として記憶・祝われているのか。在住外国人が感じる7月1日の空気を伝える。
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7月1日は香港の「回歸紀念日(香港特別行政区成立記念日)」だ。1997年のこの日、156年にわたるイギリス植民地統治が終わり、香港は中国の一部となった。
この日が何を意味するかは、誰に聞くかによって大きく異なる。
返還の経緯
1997年7月1日の深夜0時をもって、香港はイギリスから中華人民共和国に返還された。「一国二制度」の下で2047年まで高度な自治権を維持することが約束された。
返還式典は感動的なセレモニーとして世界中に報道された。チャールズ皇太子(当時)と中国の江沢民主席が同席し、イギリス国旗が降ろされ、五星紅旗と紫荊旗(香港特別行政区旗)が上がった。
返還後の変化
「一国二制度」の実態については、2003年以降、国家安全条例の立法議論・2019年の逃亡犯条例改正案をめぐる大規模な社会運動を経て、2020年の国家安全維持法(国安法)施行へと至る変化があった。
2020年以降、香港の政治環境は大きく変わった。多くの政治家・活動家・ジャーナリストが有罪判決を受けたり、海外移住を選んだりした。
7月1日の街の雰囲気
返還記念日は香港の公共休日だ。海辺の花火・政府式典・商業施設のセール……表面的には国定休日の活気がある。
一方で、2019年以前は毎年7月1日に大規模な民主派デモが行われていた。国安法施行後、公的な抗議活動の形態は変化した。
在住外国人にとっては、この日に何が起きているか・何が起きなくなったかの両方を知っておくことが、香港という場所を理解する助けになる。
香港アイデンティティの複雑さ
世論調査では「自分は香港人だ」と答える人の割合が長年高かった。中国人・香港人・中国人でもあり香港人でもある、という自己認識は年代によって異なり、若い世代で「香港人」としてのアイデンティティが強い傾向がある(推定)。
この複層的なアイデンティティは、7月1日という日付に象徴的に現れる。
在住外国人として
7月1日に香港にいると、いつもより静かな街と、いつもより複雑な空気を感じることがある。
外国人として「政治について意見を言う」ことは、香港の現在の状況では注意が必要だ。でも香港に住む以上、その歴史と現状を知ることは、誠実に向き合うための最低限のことだと思う。
7月1日は「お祝いの日」でもあり「複雑な感情の日」でもある。どちらの面も見えているほうが、香港という場所の深さに少し近づける。