雞蛋仔・碗仔翅——香港人がこよなく愛するローカルスナックの世界
雞蛋仔(エッグワッフル)・碗仔翅(フカヒレもどきスープ)・格仔餅——香港の路上スナックは食べ物を超えた集合記憶だ。消えかけるものと生き残るもの、その分岐点を探る。
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香港の路上スナックは、단순한 食べ物ではない。それを食べるとある記憶が蘇る——1980年代の学校帰りの路地、おばあちゃんが紙袋に入れてくれた雞蛋仔——そういう「時間を食べる」体験だ。
雞蛋仔(ガイタンジャイ)
卵・砂糖・牛乳・薄力粉を混ぜた生地を、球状の型(丸い突起が並ぶ型)で焼いたもの。球の形がニワトリの卵に似ていることから「雞蛋仔(鶏の卵)」と呼ばれる。
外はカリカリ、中はふんわりしたこの菓子は、1950年代に香港で生まれたとされる(推定)。今や台湾・日本・欧米でも「エッグワッフル」として知られ、世界中のアジア系パン屋・スイーツ店で作られている。
1袋(約10〜12個)で25〜40 HKD(488〜780円)程度(推定)。
碗仔翅(ウォンジャイチー)
フカヒレの食感を模した春雨スープ——これが碗仔翅だ。醤油ベースの出汁に春雨・きくらげ・豚肉が入り、片栗粉でとろみをつけ、酢・胡椒で仕上げる。
本物のフカヒレには高級食材だが、その食感・味わいを庶民が路上で手軽に楽しむための代替品として生まれた。一杯20〜40 HKD(390〜780円)程度(推定)。
格仔餅(カッジャイビン)
バター・糖・塩で焼いたワッフル(格子模様)に、ピーナッツバター・バター・砂糖・練乳を挟んだもの。甘さとコクが同居するこのスナックは、今もランカイフォン(蘭桂坊)近くや廟街で食べられる。
これらのスナックが一つの文化として機能するのは、「親の世代も食べていた」という継続性があるためだ。形が変わっても、記憶の味として受け継がれている。