食・グルメ
避風塘炒蟹(ベイフォントォンチャオハイ)——台風避難所から生まれた料理の話
避風塘(タイフーントォン)はかつて漁船が台風を避けた場所だ。その水上に住む漁民が作った料理「避風塘炒蟹」は、今や香港を代表する一皿になった。
2026-06-04
避風塘香港料理食文化
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香港の代表料理の一つに「避風塘炒蟹(ベイフォントォンチャオハイ)」がある。ニンニクと黒豆醤(豆鼓)を大量に使って蟹(カニ)を炒め上げたこの料理は、どこからきたのか。
名前の通り、その起源は避風塘(タイフォントォン)——台風を避けるための避難港だ。
避風塘の歴史
香港の避風塘は、台風シーズンに漁船が避難する港湾施設だ。かつての避風塘(特に銅鑼灣、コーズウェイベイの避風塘)には、水上生活者(水上人、ソェイソェンヤン)が多数住んでいた。
水上生活者は船の上で生まれ、船の上で料理を作り、船の上で商売をした。食材の入手が不安定な環境で、手に入るものをとにかく旨く調理する技術が発達した。ニンニクと豆鼓の組み合わせは、保存性が高く旨味が強い調味料として重宝されていた。
避風塘炒蟹の料理技法
強火の中華鍋で大量のニンニクを揚げ、香りが立ったところにカニを投入し、豆鼓・唐辛子・ネギで仕上げる。香ばしく揚がったガーリックチップが蟹全体にまとわりつく。
この技法は蟹だけでなく、海老・貝・イカにも応用される。「避風塘炒○○」という料理名がそのまま調理スタイルを示す。
現代の避風塘料理
今日の銅鑼灣避風塘には、水上生活者が出店する船上レストランは少なくなった。しかし避風塘炒蟹は香港の粤菜(廣東料理)の一ジャンルとして確立し、陸上のレストランで食べられる。
一人前300〜600 HKD(5,850〜11,700円)程度のカニ料理として、香港在住者の「特別な夜の食事」の選択肢に入る(推定)。
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