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香港の街市(ウェットマーケット)は臭くて暗い場所ではない——在住者が使い続ける理由

香港の街市(濡れた生鮮市場)はスーパーより高いものも多く、清潔でもない。それでも在住者が使い続けるのには理由がある。価格・鮮度・品揃えの実態と、スーパーとの使い分け方を解説します。

2026-04-13
食生活街市買い物食材日常生活

この記事の日本円換算は、1HKD≒19円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。

「スーパーより安い」と思って街市に行くと、驚くことがある。豚肉の一部の部位はウェルカム(Wellcome)やParkNShopより高い値段で売られている。街市=安い、は正確ではない。

では、なぜ在住者が使い続けるのか。

「今日仕入れた魚」が並ぶ場所

街市の最大の強みは鮮度と品揃えだ。早朝に仕入れた魚、朝しめた鶏肉、その日の朝に搬入された野菜が並ぶ。

スーパーは流通の効率化のために一定のロット管理をする。対して街市の各店舗は少量ずつ仕入れて売り切るサイクルを回しているため、「今日のもの」が手に入りやすい。魚を買うなら朝の9時台、野菜なら午前中が鮮度のピーク帯だ。

部位と量の自由度

スーパーのパック肉は、切り方と量が固定されている。街市では「このくらい」と手で示せば、それに近い量で売ってくれる。豚の骨付きばら肉をスープ用に切ってほしい、魚の内臓を取り除いてほしい——そういったリクエストに応じてくれる。

一人暮らしや少人数世帯には、少量の購入ができることそのものが価値になる。

広東語が分からなくても使える

街市は広東語が飛び交う空間で、観光客には敷居が高そうに見える。しかし値段はたいてい電卓や指差しで通じる。スマートフォンで「豬肉(ブタ肉)」「雞肉(鶏肉)」と見せれば伝わることも多い。

語学の問題よりも、「どこで何を買えるか」の配置把握の方が重要だ。一般的な街市の構造は、入口付近が野菜・果物、奥が肉類、端が魚介類という配置になっていることが多い。

価格は何を買うかで変わる

実際の価格帯の目安として:野菜(空心菜・白菜等)はHKD5〜10/斤(約600g)程度、豚肉は部位によってHKD25〜50/斤、魚は種類によって大きく差があり、HKD30〜100/斤以上になるものもある。これはスーパーと比較して一概に安いとは言えない。

ただし、スーパーに置いていない食材——活きた魚、アジア系の地場野菜、豆腐や揚げ物の手作り品——は街市でしか買えない場合が多い。価格比較より「それがある場所」という観点で使い分けるのが実態に近い。

スーパーとの現実的な使い分け

在住の日本人の間でよく見られる使い分けは以下のパターンだ。街市では魚・肉・地元野菜・豆腐類を購入し、スーパーでは輸入食材・加工品・日用品を揃える。日本食材はジャスミン食品や city'super などの専門店に切り替える。

毎日街市に行く必要はなく、週2〜3回で十分という人が多い。土日の朝は新鮮な食材が揃う一方、人も多い。平日の午前中が比較的空いていて回りやすい。

衛生面の実態

「臭くて不衛生」というイメージを持つ人もいる。確かに水を流しながら魚を処理する場所は濡れているし、夏場の匂いは強い。ただしHACCP等の管理水準でスーパーと比べると見劣りするのは事実として認めた上で、食中毒リスクは適切な加熱調理で大部分は回避できる。

実際に生肉・生魚を扱う文化として香港の調理習慣は「強火で完全加熱」が基本であり、それが食文化と衛生管理の組み合わせとして機能している。

街市を使う上で最初に押さえるべきは、住んでいるエリアの最寄りの街市の場所と営業時間だ。朝6時台から開いている店も多く、早起きの人には使いやすい選択肢になる。

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