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インドネシアで「土地を持てない」外国人と、名義借りというグレーゾーン

インドネシアの土地は外国人が直接所有できない。ではなぜ外国人が「土地オーナー」として振る舞える場合があるのか。ノミニー(名義借り)契約の実態と法的リスクを解説。

2026-06-22
不動産外国人所有ノミニー法律

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バリ島で「外国人オーナーの別荘」と紹介される物件がある。チラシには「永久所有権」とある。でも待ってほしい——インドネシアの法律では、外国人は土地の「所有権(Hak Milik)」を持てない。

これは矛盾しているのか。それとも別の仕組みがあるのか。

インドネシアの土地法

1960年の農地法(UUPA)はインドネシア国籍を持つ個人のみが「Hak Milik(所有権)」を持てると定めている。外国人や外資企業が土地を保有する場合は、別の法的根拠が必要だ。

外国人に認められている主な選択肢は以下だ。

  • Hak Pakai(使用権):外国人も取得可能。居住用不動産に適用されることが多い。期間は一定年限(通常30年)で更新可能。
  • Hak Guna Bangunan(建物建築権):外資企業(PT PMA)が法人として保有できる。土地の上に建物を建てる権利。
  • Hak Sewa(賃借権):長期賃借契約。

これらはHak Milikに比べ、権利の安定性が低く、更新や移転に制約がある。

ノミニー契約とは

そこで生まれたのが「ノミニー(nominee)」と呼ばれるグレーゾーンの手法だ。インドネシア人名義で土地を登記しながら、その土地の実質的なコントロール権を外国人が持つという取り決めだ。

具体的には、インドネシア人名義人と外国人の間で「名義貸し合意書」「信託契約」「委任状」などの私文書が作られる。外国人は土地代金を支払い、名義人は書類上の所有者になるが、売買・賃貸・転売の権限は外国人が実質的に持つ。

法的リスクの現実

ノミニー契約はインドネシアの法律では違法、または無効とされる可能性が高い。

最高裁判例では、農地法の脱法を目的としたノミニー契約を無効と判断した事例がある。名義人が死亡した場合、その相続人に所有権が移り、外国人は土地を失うリスクがある。名義人との関係が悪化した場合、外国人は法的手段で対抗することが難しい。

それでもバリ島を中心にノミニー物件の取引は続いてきた。特に観光地では、こうした物件を専門に扱う仲介業者が存在する。

安全な選択肢は何か

法的リスクを避けたい場合、PT PMA(外資企業)設立を通じてHak Guna Bangunanを取得する方法が現実的だ。コストと手続きはかかるが、法的根拠が明確になる。

インドネシアで不動産投資を検討する場合、地元の弁護士(ノタリス・PPAT)に依頼して権利関係を精査することが必須だ。「外国人でも買える」という宣伝文句の裏側を確認してからでも遅くない。

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