Grab・GoJekなしでは生きていけない——インドネシアのスーパーアプリ依存生活
インドネシアのGrabとGoJekは配車だけでなく食事配達・買い物代行・マッサージ・送金まで担う生活インフラ。各サービスの使い分けと在住者のリアルな活用法を紹介。
この記事の日本円換算は、10,000IDR≒95円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(IDR)の金額を基準にしてください。
ジャカルタで朝起きてから夜寝るまでの行動を振り返ると、GoJekかGrabを使わなかった日がほぼない。通勤はGrabBike(バイクタクシー)、昼食はGoFood(フードデリバリー)、帰りの買い物はGrabMart(日用品配達)、週末のマッサージはGoMassage(出張マッサージ)。
インドネシアのスーパーアプリは「便利なサービス」ではなく「都市生活のOS」だ。
配車——GrabBikeとGoRide
ジャカルタの渋滞は世界最悪レベルだ。車で30分の距離が2時間かかることがある。そこでバイクタクシー(Ojek)が威力を発揮する。渋滞をすり抜けて目的地まで直行する。
GrabBike(Grab)とGoRide(GoJek)は、ほぼ同じサービスだ。料金は距離と時間で決まり、5km圏内でIDR 15,000〜25,000(約142.5〜237.5円)程度。ヘルメットはドライバーが貸してくれる。
車(4輪)の配車も可能。GrabCar / GoCarは5km圏内でIDR 30,000〜50,000(約285〜475円)程度。エアコンが効いた車内で渋滞に耐える選択肢だ。
フードデリバリー——GoFoodとGrabFood
GoFoodとGrabFoodは、インドネシアの食生活を変えた。Warteg(大衆食堂)のナシゴレンからファインダイニングまで、あらゆる食事をスマートフォンで注文し、30分以内に届く。
配達料はIDR 5,000〜15,000(約47.5〜142.5円)程度。プロモーション(割引クーポン)が頻繁に配信されるため、店で食べるより安くなることすらある。
在住者のコツ: GoJekとGrabの両方をインストールしておき、同じ店の同じメニューを比較する。プロモーション適用後の価格が異なることが多い。
買い物代行——GrabMart / GoMart / GoShop
「コンビニでミネラルウォーターを3本と蚊取り線香を1箱買ってきて」——こういう注文がアプリでできる。ドライバーが近くのコンビニやスーパーマーケットに行き、指定の商品を購入して届けてくれる。
GoShopはさらに高度で、ドライバーが店内で商品を選びながらチャットで写真を送ってくれる。「この味でいいですか?」「この大きさですか?」と確認しながら買い物してくれる。
送金——GoPay / OVO / Dana
GoJekのGoPay、GrabのOVO。インドネシアの電子マネーはこの2つが主要だ。屋台の支払い、友人への割り勘、公共料金の支払いまで対応する。
QRコード決済が急速に普及し、ジャカルタでは屋台でもQR決済対応の店が増えている。現金を持ち歩く量は確実に減っている。
その他のサービス
GoMassage: 自宅にマッサージ師が来る。1時間IDR 80,000〜150,000(約760〜1,425円)程度。日本のマッサージの10分の1程度の価格だ。
GoClean: 家の掃除を代行するサービス。1回2〜3時間でIDR 80,000〜120,000(約760〜1,140円)程度。
GoCar / GrabCar Rental: 時間貸しで車をチャーターできる。半日IDR 300,000〜500,000(約2,850〜4,750円)程度。買い物や病院の往復に便利。
依存のリスク
便利すぎるがゆえのリスクもある。アプリがダウンした日(稀だが起きる)、プロモーションが終了して価格が上がったとき、大雨でドライバーが見つからないとき——スーパーアプリに依存した生活は、そのアプリが止まると同時に生活が止まる。
それでも、月IDR 500,000(約4,750円)程度のスーパーアプリ利用料で、交通・食事・買い物・送金のすべてが手元のスマートフォンで完結する生活は、日本にいたときには想像できなかった快適さだ。