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ハラル認証ビジネスの実態——インドネシアで「食べられる」を保証する仕組み

世界最大のムスリム人口を抱えるインドネシアでは、ハラル認証が食品・化粧品・医薬品の流通に深く関わる。認証機関の仕組み、企業のコスト、そして非ムスリム向け商品との住み分けを解説。

2026-06-09
ハラルイスラム食の規制ビジネス

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インドネシアのスーパーで商品を手に取ると、緑色の「HALAL」マークがついた丸い認証ラベルが目に入ることが多い。これは一般社団法人のような機関が発行する「この食品はイスラム法に従って製造されています」という証明だ。

インドネシアは世界最大のムスリム人口を抱える国(推定2.3億人以上、2023年時点)。この市場でビジネスをするなら、ハラルは避けて通れないテーマだ。

ハラルとは何か

「ハラル」はアラビア語で「許されている」を意味する。食品に関しては、豚肉・豚由来成分の不使用、アルコール不使用、適切な屠殺方法(ビスミッラー等の祈りを捧げながら処理する)などの条件を満たすことが求められる。

ハラムになるものは食品だけではない。化粧品(豚由来のコラーゲン等)、医薬品(ゼラチンカプセル等)、金融サービス(利子が生じる取引はリバー禁止のため「イスラム金融」として設計が必要)にも影響する。

MUI認証からBPJPH認証へ

インドネシアのハラル認証は長らくMUI(インドネシア・ウラマー評議会)が発行してきた。しかし2019年の「ハラル製品保証法(UU JPH)」施行以降、政府機関のBPJPH(ハラル製品保証実施機関)が認証主体となり、2024年以降は一定カテゴリの食品にBPJPH認証が義務付けられている。

中小企業向けには簡易認証手続きが設けられているが、製造工程の全体監査が求められる大企業にとっては相応のコストがかかる。外資系食品メーカーが認証取得に時間を要するケースも多い。

非ムスリムにとってのハラルマーク

日本人を含む非ムスリムの在留外国人にとって、ハラルマークは「安全性の指標」の一つとして機能する場合がある。添加物や製造管理が厳しいため、ハラル認証食品を選ぶことが品質保証の代替指標になるという考え方だ。

一方で、豚肉ソーセージや日本酒など、ハラルとは相いれない食品を求める人にとっては、認証のない商品の入手先を把握しておく必要がある。ジャカルタではコールドストレージやグランド・ラッキー、バリではモノプリックス等の輸入食品店でハラル非対応の輸入品が扱われている。

インドネシア進出企業の実務

日本食メーカーがインドネシア市場に参入する際、ハラル認証の取得は事実上の参入条件になる。現地生産工場を設ける場合、工場レイアウトや原材料調達の仕組みから認証に対応した設計が求められる。

ただし「ハラル対応すれば売れる」という単純な話でもない。認証があっても味・価格・流通が伴わなければ市場に入れない。ハラルは最低条件であり、競争優位にはならない——これがインドネシア市場の実態だ。

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