8月17日、インドネシアが最も熱くなる日——独立記念日の過ごし方
毎年8月17日はインドネシアの独立記念日(HUT RI)。街中でゲームをして、赤白旗を飾り、集合写真を撮る。この日だけ見えてくるインドネシア社会の別の顔がある。
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8月17日の朝、ジャカルタの住宅地では普段とまったく違う景色が広がる。路地に紅白のアーチが張られ、道ばたに椅子が並ぶ。どこからともなく集まった住民が、麻袋に足を入れて一列に並んでいる。運動会、ではなく独立記念日のゲーム大会だ。
HUT RI——インドネシア共和国記念日
HUT RI(Hari Ulang Tahun Republik Indonesia)は毎年8月17日。1945年のこの日、スカルノとモハマド・ハッタが独立宣言を読み上げた。約350年のオランダ植民地支配と3年半の日本占領を経て、インドネシアは独立を宣言した。
記念式典は国家元首が出席する国家レベルのものから、全国の学校・企業・地域コミュニティまで無数に行われる。国旗(メラ・プティ=赤と白の旗)が国全体に翻り、SNSは「Dirgahayu Indonesia!(インドネシア、長寿を!)」の投稿で埋まる。
Lomba——遊びが本気になる日
独立記念日の主役は式典よりもLomba(ロンバ=競技)だ。各地の住宅街や職場、学校で趣向を凝らしたゲーム大会が開かれる。
定番はいくつかある。麻袋レース(lomba balap karung)、竿登り大会(panjat pinang)、ビー玉をスプーンで運ぶレース、目隠しして叩く西瓜割りに似たゲーム……。中でも竿登り大会は見ごたえがある。油を塗った高い竿の先にお菓子や日用品の詰まった袋が吊るされ、チームで力を合わせて登っていく。滑り、落ち、笑い、また登る。
もう一つの名物が「pohon pinang(ポフォン・ピナン)」つまり油竿の取り合いで、その騒ぎを取り囲む住民たちの笑顔は格別だ。日本の運動会とも似ているが、もっと乱雑で、もっと陽気だ。
なぜこんなに盛り上がるのか
独立記念日がこれほどの熱を持つのは、「勝ち取った独立」という意識があるからだと思う。日本の終戦記念日が静寂と反省のムードを持つのとは対照的に、インドネシアの8月17日は「私たちがやった」という誇りと喜びで満ちている。
学校では8月になると独立史を集中的に教える。スカルノの演説の一節を暗記する子どもたちも多い。
在留外国人の参加
住宅地に住んでいる外国人駐在員や長期滞在者は、Lombaに招待されることがある。一緒に麻袋に入って笑われながら走ると、それだけで近所との距離が縮まる。
「外国人が一緒に参加してくれた」という体験は、コミュニティにとってもうれしいらしい。インドネシア語が流暢でなくても、ゲームは言葉を超える。
8月17日だけ見えてくる顔がある。日常の渋滞やお役所仕事の煩雑さと対照的な、自分たちの国への無邪気な愛着。その日だけは、ジャカルタのどんな路地も祭りになる。