Kaigaijin
海外在住日本人のメディア
交通・運転

インドネシアのバイク免許取得と運転事情——2億台が走る国のリアル

インドネシアの登録バイク台数は約1.3億台。在住外国人がバイク免許(SIM C)を取得する手順・費用・実技試験の内容と、ジャカルタ・バリでのバイク運転事情を解説。

2026-05-08
インドネシアバイク免許SIM C交通

この記事の日本円換算は、10,000IDR≒95円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(IDR)の金額を基準にしてください。

インドネシアの道路を走る車両の約84%はバイク(sepeda motor)だ。登録台数は約1.3億台(2023年、BPS統計)。人口2.7億人の国で、約2人に1台のバイクがある計算になる。ジャカルタの朝の通勤ラッシュを見れば、この数字が大げさでないことがわかる。

外国人がバイク免許を取得する方法

インドネシアでバイクを運転するには、SIM C(Surat Izin Mengemudi C=バイク用運転免許証)が必要だ。外国人はKITAS(一時居住許可証)を持っていれば取得できる。

取得の手順

  1. 必要書類を準備する

    • KITAS(有効期限内)
    • パスポートのコピー
    • 証明写真(3×4cm)
    • 健康診断書(Surat Keterangan Sehat、最寄りの診療所で取得。IDR 50,000〜100,000=約475〜950円)
  2. 最寄りのSATPAS(運転免許試験場)に行く

    • ジャカルタではデアン・モチョット(Daan Mogot)の試験場が外国人対応で知られている
    • 朝早く(7時台)に行くのが推奨。混雑すると1日がかりになる
  3. 筆記試験を受ける

    • コンピューターベースの選択式。30問中21問以上で合格
    • インドネシア語が基本だが、英語版がある試験場もある
    • 交通標識・交通法規の基本的な内容
  4. 実技試験を受ける

    • 試験場内のコースで実施。パイロン(コーン)の間をスラロームで走行する
    • 8の字走行、直線走行(平均台のような細い道を通る)
    • 試験車両は試験場で借りられることが多い(小排気量のスクーター)
  5. 合格したらSIM Cが発行される

    • 費用:IDR 100,000〜250,000(約950〜2,375円)程度(手数料含む)
    • 有効期間:5年

国際免許証は使えるか

ジュネーブ条約に基づく国際免許証は、法律上はインドネシアで使えるとされるが、実態は微妙だ。警察に止められた際に国際免許証を見せても認めてもらえないケースが報告されている。長期滞在者はSIM Cを取得しておく方が安全だ。

運転事情のリアル

ジャカルタ — 渋滞がひどく、バイクは車の隙間を縫って走る。歩道を走るバイクも日常茶飯事だ。信号無視・逆走・無灯火も珍しくない。交通ルールは「存在するが厳格に適用されない」のが実態だ。

バリ — 観光客がレンタルバイクで事故を起こすケースが多発している。バリの道路は舗装が悪い箇所があり、雨の日は特に滑りやすい。無免許運転は保険が適用されない可能性が高い。

地方都市 — 交通量が少なく走りやすいが、舗装されていない道路や動物(犬・鶏)の飛び出しに注意が必要だ。

在住者が知っておくべきこと

ヘルメット義務 — 法律で義務化されている。違反するとIDR 250,000(約2,375円)の罰金。SNI規格のヘルメットが必要で、IDR 100,000〜300,000(約950〜2,850円)程度で購入できる。

保険 — 強制保険(Jasa Raharja)はバイク登録時に含まれるが、補償額は限定的。任意保険に加入している在住外国人は少ないが、事故時の医療費を考えると検討する価値はある。

Grab/Gojekという選択肢 — 自分で運転するリスクを避けたいなら、配車アプリのGojek(バイクタクシー)やGrab Bikeを使う方法もある。5km程度の移動でIDR 10,000〜20,000(約95〜190円)。安全面を考えると合理的な選択だ。

インドネシアでバイクに乗ることは、この国の交通文化に直接入り込むことでもある。免許を取って自分で走ることで見える景色は、車の後部座席からとは確実に違う。

コメント

読み込み中...