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ジャムウはコロナで復活した——伝統薬草医学とパンデミックの意外な関係

新型コロナが流行した2020〜2021年、インドネシアでは伝統ハーブ薬「ジャムウ」の消費が急増した。政府も推奨し、科学的検証も始まった。伝統と現代医学の間でジャムウは今どこにいるのか。

2026-06-20
ジャムウ伝統医学ハーブコロナ

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2020年、新型コロナウイルスがインドネシアでも感染拡大を始めた頃、ジャカルタのスーパーマーケットからある商品が消えた。ウコン(クルクマ)と生姜だ。ジャムウ(jamu)、つまりインドネシアの伝統ハーブ薬の材料として買われたのだ。

ジャムウとは何か

ジャムウはジャワ語起源の言葉で、薬草を組み合わせた伝統飲料・薬剤の総称だ。ウコン、生姜、カリン果、タマリンド、レモングラス、ビンロウ樹皮……数十から数百の素材が組み合わさる。飲用、入浴剤、外用と使い方も多様だ。

歴史は長い。ジャワの王宮では宮廷医師がジャムウを調合し、貴族や農民に処方した記録が残っている。現代でも路上のジャムウ売り(ibu jamu)が瓶を天秤棒に担いで住宅地を回る姿が見られる——ただし減ってきている。

パンデミックとジャムウの需要爆発

2020年3月、インドネシアでコロナの感染者が確認されると、ジャムウへの需要が急増した。特に人気が出たのはウコン入りのジャムウで、「免疫を上げる」「抗炎症効果がある」という口コミがWhatsAppで拡散した。

インドネシア保健省は当時、ジャムウを「補完的・代替医療」として位置付けつつ、コロナ予防への効果については慎重な立場をとった。しかしジョコウィ大統領が「ジャムウや生姜のお茶を飲んでいる」と発言したことで、需要はさらに高まった。

科学的な検証

ジャムウに含まれる成分——クルクミン(ウコン由来)、ジンゲロール(生姜由来)など——については、抗酸化・抗炎症効果を示す研究が存在する。ただし「コロナウイルスに効く」という臨床的な証明はない。

インドネシア衛生省は「Fitofarmaka(薬効植物製品)」という認証制度でジャムウの品質管理を進めており、大学や製薬会社による科学的研究も続いている。「民間療法」から「科学で検証された伝統医学」へという移行が緩やかに進んでいる。

現代のジャムウ市場

コロナ禍を機に、ジャムウはヘルスケア市場として再評価された。ペットボトル入りのジャムウ飲料がコンビニに並び、サプリメント形態の製品が若者に支持されている。ウコンラテやジンジャービアといった「モダンジャムウ」もカフェで提供される。

輸出市場でも存在感が増している。日本や欧米のウェルネス市場へのジャムウ関連製品の輸出も拡大傾向にある(推定)。

インドネシアに住む外国人にとって、ジャムウはただの「珍しいドリンク」ではない。数百年かけて蓄積された植物知識の産物だ。体に合うかどうかは試してみないと分からないが、一杯飲んでみる価値はある。

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