ゴジェックドライバーの月収はいくらか——ギグワーカーの実態と都市経済
インドネシアのライドシェアアプリ「ゴジェック」のドライバーはフルタイムで働いていくら稼げるのか。ドライバーの声と経済的実態、都市の交通インフラとしての役割を解説する。
この記事の日本円換算は、1万IDR≒96円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。
ジャカルタの街中を走る緑色のジャケットを着たバイクドライバーは、今やインドネシアの都市景観に欠かせない存在だ。ゴジェック(Gojek)は2010年に創業したインドネシア発のスーパーアプリで、ライドシェア、フードデリバリー(GoFood)、宅配便(GoSend)などのサービスを束ねている。
では、フルタイムでドライバーとして働くといくら稼げるのか。
ドライバーの収入の構造
ゴジェックドライバーの収入は「基本給なし」の完全歩合制だ。アプリが受注した注文を受け入れ、完了ごとに報酬が発生する。報酬の一部はゴジェックに手数料として引かれる。
ライドシェア1回の報酬は距離・時間帯・プロモーションによって変わる。在住者の聞き取り情報では、フルタイム(1日8〜10時間程度)で働くドライバーの月収は200万〜400万IDR(約19,200〜38,400円)程度になることが多いとされる(推定。収入は地域・季節・活動時間帯によって大きく変わる)。
バイクのコストと維持費
ドライバー自身がバイクを所有するか、ローンで購入する必要がある。ガソリン代、メンテナンス費、ヘルメット等の装備代はすべて自己負担だ。
実質的な手取りはガソリン代と維持費を差し引いた金額になるため、月収200万IDRから50万〜80万IDRを引いたものが実質収入になるケースもある(推定)。
副業ドライバーも多い
フルタイムドライバーだけでなく、本業の仕事の前後に2〜3時間だけゴジェックを稼働させる「副業ドライバー」も多い。朝のラッシュ時と夕方〜夜のデリバリー需要が高い時間帯に集中して稼ぐスタイルだ。
フリーランスや自営業者が繁忙期と閑散期の収入差を埋めるためにゴジェックを使う、というパターンも見られる。
在住者の生活とゴジェック
外国人にとってゴジェックは日常的な移動手段だ。アプリ上で目的地を入力すれば価格が事前に分かり、交渉不要でバイクタクシーが使える。渋滞のひどいジャカルタでは、バイクで車の間をすり抜けるゴジェックのほうが車より早く目的地に着くことが多い。
GoFoodを使えば、近くのレストランの料理が30分前後で自宅に届く。外食よりやや高くなるが(配送料別途)、深夜や雨の日には重宝する。
ドライバーとの付き合い方
ゴジェックドライバーは日常的に話しかけてくる人も多い。インドネシア語が少し話せると「どこから来たの?」「インドネシアはどう?」という会話になり、そこから本音の話を聞けることがある。街の温度感を知るには、ゴジェックドライバーとの雑談は意外な情報源になる。