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インドネシアのリタイアメントビザ(ITAS Lansia)取得ガイド——条件・費用・手続きの全体像

インドネシアのリタイアメントビザ(ITAS Lansia)の年齢・収入・保険等の取得条件、申請手続き、費用、注意点を在住者目線で整理します。

2026-05-02
リタイアメントビザITAS移住シニア

この記事の日本円換算は、10,000IDR≒95円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(IDR)の金額を基準にしてください。

インドネシアのリタイアメントビザは、55歳以上であれば就労せずに長期滞在できる制度だ。タイやマレーシアの類似ビザと比べると条件はやや厳しいが、バリやジョグジャカルタでのんびり暮らしたいシニア層には現実的な選択肢になる。

ITAS Lansiaとは

ITAS Lansia(Izin Tinggal Terbatas Lansia)は、55歳以上の外国人を対象とした退職者向け限定滞在許可だ。有効期間は1年間で、最大5回まで連続更新できる(最長6年間)。就労は一切認められない。

取得条件

年齢: 55歳以上。例外はない。

月収: 月額3,000USD以上の収入証明が必要。年金・投資収益・不動産収入等が対象で、直近3ヶ月の銀行明細で証明する。

健康保険: インドネシア国内で有効な国際健康保険への加入が求められる。本国送還費用をカバーする内容であること。

住居: インドネシア国内での1年以上の賃貸契約書が必要。ホテル滞在では認められない。

現地雇用: インドネシア人を2名以上雇用する義務がある。家政婦・運転手・庭師・警備員等が対象。月給は地域の最低賃金以上を支払う必要がある。

申請の流れ

ITAS Lansiaはインドネシア国内からのみ申請できる(オンショア申請)。まずビジターズビザ(訪問ビザ)で入国し、国内で切り替える形になる。

  1. ビジターズビザで入国
  2. スポンサー(ビザエージェント)を通じて入国管理局へ申請書類を提出
  3. 書類審査・面談(地域により異なる)
  4. ITAS発行(通常2〜4週間)
  5. 在留カード(KITAS)の受領

個人申請も制度上は可能だが、書類の複雑さからビザエージェントに依頼するのが現実的だ。バリ・ジャカルタにはリタイアメントビザ専門のエージェントが複数ある。

費用の目安

項目費用
ビザエージェント手数料10,000,000〜20,000,000IDR(約95,000〜190,000円)
ITAS申請料(政府手数料)2,000,000〜4,000,000IDR(約19,000〜38,000円)
健康保険(年間)個人差あり。年間1,500〜5,000USD程度
現地雇用(2名・月額)地域により異なる。バリで1名あたり月2,500,000〜4,000,000IDR(約23,750〜38,000円)程度

年間の維持コストを合算すると、ビザ関連だけで年100万〜200万円程度になる。生活費は別だ。

注意点

就労禁止は厳格。フリーランスやオンラインビジネスも公式には認められない。発覚した場合はビザ取り消し・国外退去の対象になる。

更新は毎年。自動更新ではないため、期限前に申請が必要。ITAS Lansiaを5年間保持すれば永住許可(KITAP)への切り替え申請も可能だが、審査は厳しい。

税務。年間183日以上の滞在でインドネシアの税務居住者になる。日本との租税条約で二重課税は避けられるが、現地での申告義務が発生する可能性がある。

他国のリタイアメントビザと比較すると、インドネシアは「現地雇用義務」がユニークだ。この要件をコストと捉えるか、現地コミュニティとの接点と捉えるかで印象は変わる。

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