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バンドン・ストリートアート文化——創造都市の一面

インドネシア第3の都市バンドンは、ストリートアート・インディーズ音楽・ファッションが交わるクリエイティブシティ。ジャカルタとは異なる若者文化の空気と在住者が感じる街の魅力を紹介します。

2026-04-22
バンドンストリートアートインドネシアクリエイティブ若者文化

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ジャカルタから電車で約3時間。標高700m前後の高地に位置するバンドンに着くと、まず気温の違いに気づく。熱帯のジャカルタより5〜7℃低く、オランダ植民地時代に「パリス・ファン・ジャワ(ジャワのパリ)」と呼ばれた避暑地の名残がある。

人口約250万人のインドネシア第3の都市。ここはジャカルタの喧騒とも、バリの観光地の空気とも違う顔を持っている。

壁が語るバンドンの若者文化

バンドンを歩くと、建物の壁や裏路地に大小さまざまなグラフィティ・壁画が目に入る。政治的なメッセージを込んだ作品から、ポップなイラスト、地元アーティストのサインまで、街全体がアートの展示場のようだ。

バンドン工科大学(ITB)やパラヒャンガン大学など学生数の多い大学が集まる影響もあり、学生・若手クリエイターが街に多い。彼らがスペースを見つけてはアート・音楽・ファッションで表現し、街の雰囲気を作っている。

「バンドン・クリエイティブシティ・フォーラム」をはじめ、市が積極的にクリエイター支援に動いてきた背景もある。ユネスコのクリエイティブシティ・ネットワークにバンドンが加盟したのは2015年のことだ(デザイン分野)。

インディーズ音楽シーン

バンドンはインドネシアのインディーズ音楽の発信地でもある。「バンドン・サウンド」と呼ばれるポストパンク・インディーポップの流れがあり、2000年代以降インドネシア全土に影響を与えた。PeterpanやDewa 19といったインドネシアを代表するバンドがバンドン出身・バンドン発だ。

現在も小さなライブハウスやカフェで毎夜ライブが行われており、入場料が無料〜30,000IDR(約285円)程度という場所も多い。地元バンドのライブに飛び込むと、若いインドネシア人音楽ファンと自然に交流できる機会になる。

ファッションとアウトレット文化

バンドンのもう一つの顔はファッション産業だ。市内に「factory outlet(FO)」と呼ばれる大型アウトレットショップが数十軒あり、ジャカルタ・スラバヤから週末に買い物客が大挙して訪れる。

日本・欧米ブランドのB品・余剰品を扱う店から、ローカルデザイナーのオリジナル品まで幅広い。価格帯は品により異なるが、Tシャツ1枚50,000〜150,000IDR(約475〜1,425円)が目安。在住日本人の間では「バンドンで服を買う」が定番の週末の過ごし方になっている。

生活費とアクセス

バンドンの生活費はジャカルタよりやや安い傾向がある。家賃(ワンベッドルーム)は市内中心部で3,000,000〜7,000,000IDR(28,500〜66,500円)程度が目安。コーヒーショップ1杯が20,000〜40,000IDR(190〜380円)と、若者が長時間作業できる場所も多い。

ジャカルタへのアクセスは電車(約3時間)・高速道路(渋滞なしで約2時間)で繋がっており、月に数回ジャカルタに行く生活スタイルも現実的だ。在住外国人は少ないが、英語で仕事をする環境を作りながらバンドンの生活コストで暮らすというパターンを選ぶ人もいる。

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