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屋台を追い払う街と、屋台を守る街——PKL規制をめぐるインドネシアの葛藤

インドネシアの路上には数百万人のPKL(移動屋台業者)が生計を立てる。彼らは「秩序の乱れ」か「都市の活力」か。整備と排除をめぐる行政と市民の複雑な関係。

2026-06-13
屋台PKLインフォーマル経済都市政策

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朝8時のジャカルタ。歩道の端に小さなカートを押しながら、サテーやナシクドゥクを売る男性がいる。彼は何十年もここで商売をしてきた。でも先週、Satpol PP(都市秩序警備隊)が来て、カートを押収されそうになった。

インドネシアで「屋台問題」と言えば、100万通りの意見がある。

PKLとは何か

PKL(Pedagang Kaki Lima)は「5本足の商人」という意味で、屋台・移動販売業者を指す言葉だ。語源は歩道(kaki lima=5フィート幅の歩道という植民地時代の建築規定)が転じたとも言われる。

インドネシア全国のPKL数は推定数百万人規模(正確な統計は未整備)。都市部の非正規就業者の多くがこのカテゴリに含まれる。農村から都市に出てきた若者、リストラされた中高年、副業として夕方だけ出店する主婦——多様な人々がPKLとして生計を立てている。

行政とPKLの終わりなき攻防

インドネシアの各都市では、PKLの整理・移転・排除をめぐって行政と業者の衝突が繰り返されてきた。警備隊が屋台を撤去すれば、数日後には別の場所に出現する。

ジョコ・ウィドド(ジョコウィ)前大統領がスラカルタ(ソロ)市長時代に行ったPKL移転政策は注目された。強制排除ではなく、対話と代替場所の提供によってPKLをまとめて整備された市場に誘導した取り組みだ。成功事例として語られるが、移転先が繁盛するかどうかは立地次第で、すべての都市で再現できるわけではない。

消費者にとっての屋台

在留外国人を含め、ジャカルタで暮らす人の多くがPKLの食べ物を日常的に食べる。正規のレストランより安く、その場で作るため熱々で、味も多様だ。

一方で衛生管理が問題になることもある。水の確保が不十分な場所での食品調理、食材の管理状況は不均一だ。外国人が初めてPKLの食べ物を試みる際に体調を崩すケースはある。慣れれば問題ない場合がほとんどだが、免疫がつくまでに時間がかかることもある。

インフォーマル経済の意味

PKLが生み出す経済規模は小さくない。家族を養い、地方に仕送りをし、子どもを学校に通わせる。彼らの収入は公式統計のGDPには反映されにくいが、都市の実質的な生活インフラの一部を担っている。

行政の視点では「無秩序」だが、生活者の視点では「インフラ」だ。その両方が同時に正しく、だからこそ解決が難しい。ジャカルタが何度きれいになっても、屋台がなくならない理由はここにある。

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