インドネシアでは身長が「職業適性」の条件に入ることがある
インドネシアの求人票には身長制限が記載されることがある。警察や軍隊だけでなく、航空会社や銀行の受付にも基準が存在する背景と、在住外国人が知っておくべき身体基準の文化を解説する。
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日本でも「容姿端麗」という採用条件は減ってきたが、インドネシアの求人票には今でも「身長◯cm以上」「外見が整っていること(berpenampilan menarik)」という条件が明記されていることがある。警察や軍隊は分かりやすいが、銀行の窓口係や航空会社のグランドスタッフでも身長条件が設けられている場合がある。
どの職種に身長条件があるか
公的機関の採用基準として、インドネシア国家警察(POLRI)は応募資格に男性163cm以上、女性160cm以上(職種による)と明記している。インドネシア軍(TNI)も同様の身体基準を持つ。
民間では航空会社のカビンクルー・グランドスタッフ採用に際し、160〜165cm以上を条件とすることがある。大手銀行のテラー(窓口担当)も「清潔感があり整った外見であること」が採用基準に入ることがある。
なぜ身長が基準になるのか
「制服のサイズが規格化されている」「制服着用時の見栄え」という実務的な理由がまず挙げられる。また「プロフェッショナルな印象を顧客に与える」という考え方が、特にサービス業で根強い。
欧米諸国ではこうした基準は外見差別(lookism)として訴訟の対象になりうるが、インドネシアでは現時点では法的規制が限定的だ。
日本人が職場で感じること
身長に関する話題はインドネシアでは日本よりオープンに語られる。体重や身長を初対面で聞いてくる同僚がいても、悪意ではなく単純な興味からの場合が多い。「痩せた?太った?」という挨拶代わりの発言も珍しくない。
日本人のビジネスパーソンがインドネシアで採用面接を受ける場合は、外資系企業(日系含む)は身体的条件を求人に記載しないことがほとんどだ。ローカル企業の採用現場では状況が異なる。
外見に関する文化的背景
インドネシアでは「penampilan(外見・身なり)」を整えることへの意識が高い。モールやオフィスに入るときのドレスコード意識、冠婚葬祭での正装、髪型の清潔感——こうした「見た目への投資」を重視する文化がある。
化粧品や美白クリームの市場規模が大きいのも同じ背景からで、肌の色に関する美意識は複雑な歴史的経緯を持つ。
在住者として知っておくこと
外国人が現地就職を検討する際、日系企業・外資系企業の求人は日本の基準に近い。ローカル採用や転職エージェントを通じる場合は、求人票に身体条件が記載されていても驚かないほうがいい。外国人として働く場合、そもそも「外国人であること」のほうが採用の可否に大きく影響する局面が多い。