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インドネシアの有料道路(Tol)整備と都市間移動

インドネシアでは2010年代以降、有料道路(Tol)の整備が急速に進んだ。ジャカルタ〜スラバヤを陸路でつなぐルートの現実と、在住者が使う移動手段の実態を整理します。

2026-04-23
有料道路Tolインフラジャカルタ移動

この記事の日本円換算は、10,000IDR≒95円で計算しています(2026年4月時点)。

ジャカルタからスラバヤまでの距離は約800km。かつては信号・市街地・農道を繋いだルートで15〜20時間かかっていた。2019年にTrans-Java Tollwayが全線開通してから、この移動は10〜12時間に短縮された。インドネシアの有料道路(Tol/Jalan Tol)の整備は、この国の物流と在住者の生活を静かに変えている。

Tolの現状と規模

インドネシアの有料道路(Tol)は、国営企業Jasa Marga(ジャサ・マルガ)が主に運営している。2024年時点でジャワ島を中心に全国の総延長は3,000km超に達している(国土交通省相当機関の発表ベース)。

2014年以降のジョコ・ウィドド政権(ジョコウィ政権)が「インフラ整備」を国家戦略の柱に据えたことで、建設ペースが大幅に上がった。カリマンタン・スマトラにもTolの延伸が進んでいる。

料金の仕組みと支払い方法

Tolの料金は区間によって異なる。ジャカルタ市内の環状道路(Jagorawi等)は短距離利用で10,000〜30,000IDR(95〜285円)程度だ。ジャワ横断(ジャカルタ〜スラバヤ)を通しで走ると通行料合計は350,000〜450,000IDR(3,325〜4,275円)程度になる。

支払いはETCカード(e-toll card)が主流だ。ジャカルタのほぼすべての料金所がキャッシュレス化されており、e-tollカードを持っていない場合は列に並び直しになる場面もある。

e-tollカードはBCA、Mandiri、BNI、BRIなど主要銀行が発行するプリペイドカードで、スーパーマーケット・コンビニでチャージできる。在住外国人がインドネシアで車を運転する場合、取得しておくことが現実的に必要だ。

都市間移動の選択肢

在住外国人が都市間を移動する場合、Tolを使う「車移動」以外にも複数の選択肢がある。

飛行機: ジャカルタ〜スラバヤ、ジャカルタ〜バリ等は国内線が充実している。Garuda Indonesia, Lion Air, Batik Air等が運航。移動時間は1〜2時間で、安売り期間中は200,000〜400,000IDR(1,900〜3,800円)で購入できることもある

鉄道: ジャワ島の主要都市間は鉄道も充実している。ジャカルタ〜スラバヤは「Argo Bromo Anggrek」等の特急で約9時間。エアコン付き、指定席制で快適だ。料金は100,000〜600,000IDR(950〜5,700円)と幅がある

バス(Bis AKAP): 最安手段。ジャワ横断は300,000〜500,000IDR(2,850〜4,750円)程度だが、Tol整備後も所要時間は長め

ジャカルタ市内の渋滞問題

Tolが整備されても解決していないのがジャカルタ市内の渋滞だ。平日朝夕のジャカルタ市内はTolを含めて渋滞が激しく、GrabやGojekのドライバーも「今日のジャカルタは2時間の距離が4時間になる」と言う日がある。

2019年開業のLRT(Lintas Rail Terpadu)と、既存のKRL(通勤電車)は渋滞を回避する手段として在住者が活用している。ジャカルタの公共交通機関は近年急速に整備が進んでいる。

インドネシアのインフラ整備は「完成」よりも「変化の過程」として見るべき段階にある。在住者として3〜5年で変化を感じられるスケールで、街と道が変わっていく。

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