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ビザ・在留資格

インドネシアのビザ・在留資格ガイド——KITAS、退職者ビザ、バリ島デジタルノマドビザ

インドネシアの在留資格は複雑。B211A観光ビザからKITAS一時居住許可、退職者ビザ、2023年導入のバリ島デジタルノマドビザ(E33G)の取得条件を整理します。

2026-04-09
インドネシアビザ在留資格KITASバリ島デジタルノマド移住

この記事の日本円換算は、1万IDR≒95円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(IDR)の金額を基準にしてください。

インドネシアのビザ制度は、東南アジアの中でも仕組みが複雑な部類に入る。2023〜2024年にかけてビザ種別の再編が行われており、「ビザラン」文化の終焉と新制度への移行が進んでいる。

観光ビザ(B211A)——最初の入口

日本国籍の場合、30日間のビザなし入国が可能(imigrasi.go.id の規定に基づく)。これを延長する場合は、インドネシア移民局(Imigrasi)でB211A観光ビザを申請し、最大30日×2回の延長で合計最長90日滞在できる。

ただし、「観光ビザで実質的に仕事をしている」状態は、インドネシアの移民法上のグレーゾーンだ。2023年以降、当局の取り締まりが強化されており、バリ島では外国人の就労ビザなし就労が摘発されるケースが増えている。

KITAS(一時居住許可)——長期滞在・就労の基本

インドネシアで合法的に長期滞在・就労するための中心的な在留資格がKITAS(Kartu Izin Tinggal Terbatas)だ。

KITAS種別対象者有効期間主な条件
就労KITASフィリピン企業雇用の外国人1〜2年(更新可)RPTKA(外国人労働者使用計画)取得済みスポンサー企業が必要
家族帯同KITASインドネシア人配偶者・子の扶養1〜2年配偶者・親のKITAS保有
投資家KITASKBLI登録済み外資企業のDirector等2年(更新可)PT PMA(外資法人)設立、最低資本金要件あり
リタイアメントKITAS退職者1年(更新可)詳細は後述

KITASの取得後は、外国人登録証(STM)の取得、居住地の最寄り役所(Kelurahan)への届出も必要になる。手続きは多段階で、ビザコンサルタント・行政書士に代行依頼するケースが多い。

KITAP(永住許可)への道

KITAS取得後、継続して5年以上のインドネシア居住を経てKITAP(Kartu Izin Tinggal Tetap、永住許可)への移行が可能だ。ただしインドネシア人配偶者との婚姻継続、就労または投資実績の維持が条件となることが多く、審査は厳格だ。

就労ビザ——RPTKAとWLKP

インドネシアで外国人を雇用する企業は、まず労働省にRPTKA(Rencana Penggunaan Tenaga Kerja Asing、外国人労働者使用計画)を申請・承認してもらう必要がある。

RPTKAの承認後、外国人本人がVITAS(就労目的の一時滞在ビザ)をインドネシア大使館または領事館で取得し、入国後にKITASに切り替える流れだ。

手続き期間は順調でも2〜3ヶ月かかることがある。転職時は新雇用主がRPTKAを再申請する必要があり、その間の滞在資格の維持に注意が必要だ。

退職者ビザ——55歳以上・月$1,500の所得証明

インドネシアは2021年にリタイアメントビザを刷新した。主な条件は以下の通り(イミグラシ公式資料に基づく)。

項目要件
年齢55歳以上
収入証明月$1,500以上の年金・定期収入を証明できる書類
健康保険インドネシア国内でカバーされる保険への加入
就労不可
有効期間1年(更新可)

$1,500(約22.5万円)の月収証明は、日本の年金受給者にとっては難易度が高いケースもある。定期預金の利息・配当収入を組み合わせて証明するケースもある。

バリ島デジタルノマドビザ(E33G)——2023年導入

2023年3月、インドネシアはバリ島を対象としたデジタルノマドビザ「Second Home Visa」とは別に、E33G(Visa Rumah Kedua)を導入した。

実態として2023〜2024年にかけて最も注目されたのが「E33G(Second Home Visa)」だ。

項目要件
対象海外の雇用主・クライアントから収入を得るリモートワーカー
条件銀行残高$130,000相当以上(または同額の不動産投資)
有効期間5年(更新1回可、最長10年)
税務インドネシア国内収入がなければ課税対象外(原則)
就労インドネシア国内の企業への就労は不可

銀行残高$130,000(約1,950万円)という条件はハードルが高く、富裕層向けの設計に近い。より現実的な手段として、B211AからKITAS(投資家)への移行や、デジタルノマド向けのソーシャルビザ(C312)を利用するケースも多い。

ビザラン文化の終焉

2022年以前、バリ島を中心に「ビザラン(30日ごとにシンガポール・クアラルンプール等へ出国し再入国する)」が非公式に横行していた。2022〜2023年のバリ島当局の取り締まり強化以降、こうした方法を公然と行うことは難しくなっている。

同一人物が短期間に繰り返し入国する場合、イミグラシの裁量で入国拒否されるケースも報告されている。長期滞在を計画するなら、合法的なKITASまたは適切なビザカテゴリでの滞在が実質的に必須になっている。

制度の変更が速いため、申請前にインドネシア大使館(東京)またはイミグラシの公式サイト(imigrasi.go.id)で最新情報を確認することをすすめる。


主な参照: インドネシア移民局(Direktorat Jenderal Imigrasi)公式サイト、インドネシア労働省RPTKA規定、在インドネシア日本国大使館(jakarta.id.emb-japan.go.jp)

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