インドネシアの就労許可(IMTA)ガイド——外国人が合法的に働くための手続き
インドネシアで外国人が就労するために必要なIMTA(外国人労働許可)の取得手順、RPTKA、スポンサー企業の義務、費用をまとめます。
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インドネシアで外国人が合法的に就労するためには、ビザ(VITAS / KITAS)とは別に、就労許可に関わる一連の手続きが必要です。制度が頻繁に改正されるため、この記事では2024年時点の枠組みを整理します。実際の手続きは、スポンサー企業の人事部門や法務コンサルタントが代行するのが一般的です。
就労関連の許可体系
インドネシアの外国人就労許可は、主に以下の3つのステップで構成されています。
1. RPTKA(Rencana Penggunaan Tenaga Kerja Asing / 外国人労働力利用計画): 雇用主が「なぜ外国人を雇う必要があるのか」をインドネシア労働省(Kemnaker)に申請する計画書。ポジション名、業務内容、雇用期間、インドネシア人へのスキル移転計画を記載します。
2. IMTA(Izin Mempekerjakan Tenaga Kerja Asing / 外国人労働許可): RPTKAの承認後、労働省が発行する許可証。2021年以降、IMTAの発行プロセスはオンラインシステム(TKA Online)に移行しています。
3. KITAS(Kartu Izin Tinggal Terbatas / 暫定居住許可証): 就労目的の居住許可。IMTAの取得後、入国管理局(Imigrasi)に申請します。有効期間は最長2年で更新可能。
DKP-TKA(補償金)
外国人を雇用する企業は、DKP-TKA(Dana Kompensasi Penggunaan Tenaga Kerja Asing / 外国人労働力使用補償金)を支払う義務があります。
- 金額: US$100 / 月 / 外国人1名
- 支払い: RPTKA承認時に前払い
例えば、2年間の雇用であれば、US$100 × 24ヶ月 = US$2,400(約372,000円)を前払いします。この補償金は、インドネシア人労働者のスキル開発に充てられるとされています。
ネガティブリスト(就業禁止職種)
インドネシアには外国人が就業できない職種のリストがあります(大統領令 No. 34/2021等に基づく)。主な禁止職種は以下です。
- 人事部門のディレクター / マネージャー
- 品質管理マネージャー(一部業種)
- 法務部門の管理職
- 一般的な翻訳・通訳(ただし専門通訳は例外)
つまり「人事のトップ」や「法務のトップ」にはインドネシア人を就かせなければならない、という規定です。日系企業の駐在員が「人事部長」の肩書で赴任する場合、この規制に抵触する可能性があるため、実務上はポジション名を調整して申請するケースがあります。
スポンサー企業の義務
外国人を雇用するスポンサー企業には以下の義務が課されています。
- 外国人1名に対し、インドネシア人の「カウンターパート(Pendamping)」を任命し、スキル移転を行う
- RPTKA / IMTAの更新を期限内に行う
- 外国人の雇用終了時に、労働省および入国管理局に報告する
- 外国人の帰国費用を負担する
取得にかかる期間と費用
企業側の手続き費用(法務コンサルタント費用を含む)は、一般的に以下の範囲です。
- RPTKA + IMTA + KITAS一式: 15,000,000〜30,000,000 IDR(約142,500〜285,000円)程度(コンサルタント費用含む)
- 処理期間: RPTKA申請からKITAS取得まで約1〜3ヶ月
費用と期間は、企業の規模、申請するポジション、地域(ジャカルタ vs 地方)によって異なります。
実務上のアドバイス
- 手続きは企業(スポンサー)が行う: 個人では申請できない。全てスポンサー企業を通じて行われる
- IMTA番号の確認: KITAS発行後、IMTA番号がKITASに記載されているか確認する。銀行口座開設等でIMTA番号を求められることがある
- 制度変更が頻繁: 2020年のオムニバス法(Cipta Kerja法)以降も施行細則の改正が続いている。最新の要件はスポンサー企業の法務担当に確認することを推奨する