インドで銀行口座を開く:外国人が最低限知っておくべき手順と注意点
HDFC・ICICI・Axis・SBIの選び方、NRE/NROの違い、必要書類、オンラインバンキングの設定まで。インド着任後に銀行口座を開くためのガイド。
この記事の日本円換算は、1INR≒1.8円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(INR)の金額を基準にしてください。
インドで給与を受け取り、家賃を払い、UPIで決済するには、ローカルの銀行口座が必要になる。
外国人が口座を開く場合、いくつか押さえておくべき前提がある。まずここから整理する。
NRE口座とNRO口座の違い
外国人(非居住者)向けには大きく2種類の口座がある。
NRE(Non-Resident External)口座は、海外から送金した外貨をインドルピーで管理する口座。海外への再送金(本国への送金)が自由にできる。利子は非課税。海外勤務者が資産管理目的で使うことが多い。
NRO(Non-Resident Ordinary)口座は、インド国内で発生した収入(給与・賃料・配当など)を管理する口座。海外への送金には年間100万ドルまでの上限と税務申告が必要。インドで働く人が給与を受け取るには通常こちらを使う。
日本からの出向者でインドで給与を受け取る場合はNROが基本。本国への送金を効率化したい場合はNREと組み合わせる、というパターンが多い。
どの銀行を選ぶか
HDFC Bankはプライベートバンクのトップで、外国人からの評価が高い。英語対応が充実していて、オンラインバンキングも安定している。
ICICI Bankも外国人に人気。支店数が多く、空港内に支店を持つことでも知られる。NRI専用デスクを設けている支店もある。
Axis BankはHDFC・ICICIと並ぶプライベートバンク第3位。サービス品質はHDFC・ICICIに近い。
**SBI(State Bank of India)**は国営でシェア最大。日本のメガバンクに近い安心感はあるが、英語対応や手続きのスムーズさでプライベートバンクに劣ることがある。日本人駐在員はまずプライベートバンクから検討するケースが多い。
必要書類(一般的な例)
- パスポート(原本+コピー)
- ビザ(就労ビザ等)
- 居住証明(賃貸契約書・会社レター等)
- 雇用証明(会社の在職証明・オファーレター)
- パスポートサイズ写真2〜4枚
銀行・支店によって求められる書類が異なる場合があるため、会社のHR担当者や先輩駐在員に事前確認することを勧める。会社が取引銀行を持つ場合、そこで法人名義で開設してもらえることもある。
インド口座での実生活
口座開設後は**UPI(Unified Payments Interface)**が使えるようになる。PhonePe・Google Pay・Paytmと連携させれば、QRコードでの支払いが全国どこでも使える。インドはすでにキャッシュレス決済が日常に溶け込んでいて、ストリートフードの屋台でもQRコードが貼ってある場面が珍しくない。
現金(INR紙幣)が必要な場面もあるため、ATMカードとUPIの両方を持っておくのが現実的だ。
口座開設には1〜2週間かかることが多い。着任が決まったら早めに動くのが吉だ。