インドの中産階級——消費市場の拡大と在住外国人が感じる変化
インドの中産階級(ミドルクラス)は急速に拡大中です。モール・飲食店・オンラインショッピングの変化から、5年前と今でインドの消費文化がどう変わったかを在住外国人の視点で解説します。
この記事の日本円換算は、1INR≒1.8円で計算しています(2026年4月時点)。
5年前にインドに来た人が今訪れると、「街が変わった」と感じることが多い。モールが増え、スターバックスが増え、スマートフォンを手にした若者が増えた。インドの中産階級の拡大は肌で感じられる速度で進んでいる。
数字の実態
インドの中産階級の定義はさまざまあるが、世界銀行の基準(1日12〜110ドルの消費水準)では2023年時点で人口の約25〜30%程度が中間層に相当すると推計される(研究機関によって推計に幅がある)。
インドGDPの成長率は2022〜2025年にかけて年間6〜8%水準を維持しており、消費市場の拡大が続いている。
在住外国人が感じる変化
外食・カフェ文化: デリー・バンガロールの若者向けカフェ・レストランの数が急増している。「ロースタリーコーヒー」「ブランチカルチャー」「クラフトビール」など、数年前まではなかったカテゴリーが定着している。
オンライン消費: Amazon India・Flipkart・Meeshoの台頭で、地方都市でもオンライン購入が当たり前になった。COD(現金引換)という支払い方法がオンライン決済への不信感を吸収しつつ、UPIに移行していくトレンドが続く。
モール文化: 5〜10年前に建設されたモールが「集客力を維持できるモール」と「空洞化するモール」に選別されてきた。グルガオン・アンビエンス・マールのような大型施設は外国人在住者の週末の場になっている。
インドのZ世代の消費観
英語・デジタル・グローバルブランドに親しんだインドのZ世代(1997〜2012年生まれ)は、親世代とは全く異なる消費パターンを持つ。インフルエンサーマーケティング・DtoC(直販)ブランドへの感度が高く、「メイド・イン・インディア」への誇りと消費が結びついてきている。
この世代とビジネス・生活で交わることが、インド在住の最大の面白さのひとつだ。