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インドの賃貸契約で泣かないために:デポジット10ヶ月分の衝撃と交渉術

インドで部屋を借りるときの賃貸契約の仕組み。デポジット、ロックイン期間、退去時トラブルの回避法を実体験ベースで解説。

2026-05-15
賃貸デポジット契約住居不動産

この記事の日本円換算は、1INR≒1.8円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(INR)の金額を基準にしてください。

インドの賃貸でまず驚くのは、デポジット(保証金)の額だ。バンガロールでは家賃の10ヶ月分が相場。家賃50,000INR(約9万円)の部屋なら、入居時に500,000INR(約90万円)を現金で渡す。東京の敷金1〜2ヶ月の感覚でいると資金計画が狂う。

デポジットは都市で全く違う

デポジットの相場は都市によって大きく異なる。

  • バンガロール: 家賃の10ヶ月分(インド最高水準)
  • デリーNCR(グルガオン・ノイダ): 家賃の2〜3ヶ月分
  • ムンバイ: 家賃の3〜6ヶ月分
  • チェンナイ: 家賃の3〜6ヶ月分
  • ハイデラバード: 家賃の2〜3ヶ月分

バンガロールの10ヶ月が異常なのだが、IT産業の急成長で家主の立場が強くなった結果だ。交渉で6〜8ヶ月まで下げられるケースもあるが、人気エリア(Indiranagar、Koramangala等)では強気の家主が多い。

ロックイン期間に注意

インドの賃貸契約には「ロックイン期間」という仕組みがある。通常6ヶ月〜12ヶ月で、この期間内に退去するとデポジットが全額没収される。

11ヶ月契約でロックイン6ヶ月というのが典型的なパターン。契約書(Rental Agreement)にロックイン条項がない場合でも、口頭で合意していたと主張されるケースがあるため、契約書に明記させることが大切だ。

契約書は11ヶ月が標準

インドの賃貸契約はほぼ全て11ヶ月契約だ。12ヶ月以上の契約はRegistration Act(登記法)により政府への登記が必要になり、印紙税や登録料がかかる。家主はこのコストを避けたいため、11ヶ月契約を繰り返す形が定着した。

契約書はスタンプペーパー(印紙)に印刷し、公証人(Notary)の認証を受ける。費用は州によるが、500〜2,000INR(約900〜3,600円)程度。

退去時のデポジット返還トラブル

退去時にデポジットが戻ってこない、というのはインド在住者の間でよく聞く話だ。壁のペイント代、クリーニング代、家具の「損耗」を理由に差し引かれる。

対策として有効なのは、入居時に部屋の状態を写真・動画で記録しておくこと。壁の傷、家具の状態、設備の動作確認を全て記録する。退去時に家主と一緒に部屋を確認し、双方合意の上で差し引き額を決める。

デポジットの返還期限は契約書に明記しておく。一般的には退去後30〜60日以内。書面がないと「来月返す」が3ヶ月、半年と延びることがある。

仲介業者(ブローカー)の手数料

物件探しにはブローカーを使うのが一般的で、手数料は家賃の1ヶ月分が相場。家主側とテナント側で折半するケースもある。

日系不動産会社(Housing Japan、STARTS India等)を使うと日本語でやり取りできるが、手数料が家賃の2ヶ月分になることもある。コスト優先ならNoBrokerやMagicBricksなどのオンラインプラットフォームでブローカーなし物件を探す手もある。

家賃の支払い方法

家賃は毎月の銀行振込(NEFT/IMPS)が主流になってきたが、小切手(Cheque)を求める家主もまだいる。現金払いを求められた場合は、領収書を必ず受け取る。

家賃の年次増額(Annual Increment)は契約書に記載される。5〜10%が一般的で、交渉で5%に抑えるのが目標ラインだ。

インドの賃貸契約は日本の常識が通用しない部分が多い。契約書の細部を読み、交渉すべきところは交渉する。そこに日本的な「遠慮」は不要だ。

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