インドで車・バイクを所有するためのRTO登録ガイド——外国人が知るべき手続きと注意点
インドで車やバイクを購入する際に必要なRTO(地域交通局)での車両登録手続きを解説。外国人が必要な書類、費用、州をまたぐ移転時の手続きなど、実務的な情報をまとめます。
この記事の日本円換算は、1INR≒1.8円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(INR)の金額を基準にしてください。
インドのナンバープレートを見ると「DL 01 AB 1234」のような形式になっている。最初の2文字は州コード(DL=デリー)、次の2桁がRTO(Regional Transport Office=地域交通局)のコード。つまりナンバーを見るだけで、その車がどの州のどのRTOで登録されたかがわかる。
RTOとは
RTO(Regional Transport Office)は各州政府の下にある車両登録・運転免許の管轄機関だ。日本の陸運局に相当する。車やバイクを購入したら、RTOで車両登録を行い、ナンバープレートを交付してもらう必要がある。
新車の場合はディーラーが登録手続きを代行してくれることがほとんどだ。中古車を個人売買で購入する場合は、自分でRTOに行くか、エージェント(代行業者)に依頼する。
外国人の車両登録に必要な書類
外国人がインドで車両を登録する場合、以下が必要になる。
- パスポートとビザのコピー
- FRRO(外国人地域登録局)の登録証明書
- 住所証明(賃貸契約書、電気・ガスの請求書など)
- PAN Card(所得税番号。取得していない場合はForm 60で代替可)
- 保険証書(車両購入時に加入必須)
- 車両の仮登録証明書(ディーラーが発行)
登録費用の目安
登録費用は車両価格と州によって異なる。
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 登録料 | ₹600〜₹1,500(約1,080〜2,700円) |
| ロードタックス | 車両価格の4〜20%(州による) |
| ナンバープレート代 | ₹200〜₹500(約360〜900円) |
| 仮ナンバー延長(必要な場合) | ₹200(約360円) |
ロードタックスの差が大きい。デリーは乗用車で約7〜12%、カルナータカ州(バンガロール)は約13〜18%。この差が「他州で車を買ってデリーで登録する」といった裁定行動を生んでいる。
州をまたぐ移転(NOC取得)
転勤や引っ越しで別の州に移る場合、元の州のRTOからNOC(No Objection Certificate)を取得し、新しい州のRTOで再登録する必要がある。この手続きを怠ると違法走行になり、罰金₹5,000〜₹10,000(約9,000〜18,000円)が科される。
NOC取得から新州での再登録まで通常1〜3ヶ月かかる。オンライン化が進んでいるとはいえ、実際にはRTOの窓口で長時間待つことが多い。Parivahan(政府の交通サービスポータル)でオンライン申請が可能な州もあるが、結局窓口での本人確認が必要になる。
バイクという選択肢
都市部の渋滞を考えると、バイクやスクーターの方が実用的だという在住外国人も多い。125cc以下のスクーターなら₹70,000〜₹120,000(約126,000〜216,000円)で新車が買える。登録手続きは車と同じだが、ロードタックスが安い分、初期費用は大幅に抑えられる。
在住外国人がバイクに乗る場合、国際運転免許証では不十分で、インドの運転免許証が必要になる。取得にはRTOでの学科・実技試験が必要だ。
ナンバープレートの州コードは、インドが連邦国家であることを毎日思い出させてくれる。州が変われば税制も手続きも変わる。車1台の登録が、インドの行政の複雑さを体感する入口になる。