インドでヨガをする:発祥の地で「本物」を探して気づくこと
リシケシュ・マイソールのヨガ聖地から、デリー・バンガロールの都市型スタジオまで。インド在住者がヨガの本場で何を見つけ、何に戸惑うかを書く。
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インドに住んでいると、一度は「本場のヨガを習おう」という気持ちになる。
ヨガはインドで生まれた。リシケシュはヨガの聖地とされ、毎年世界中から修行者が集まる。バンガロールではアシュタンガヨガの創始者・パタビジョイスの系譜が今も生きている。インドに住んでいるなら、一度はそういう場所に触れてみる選択肢がある。
リシケシュという場所
ガンジス川沿いに広がる小都市リシケシュ(ウッタラーカンド州)は、インド国内でも特殊な位置づけの場所だ。アシュラム(修行道場)が数十軒集まり、菜食主義が主流で、アルコールが売られていない。
ここに来る外国人の多くがヨガ・教師認定コース(RYT200/500)を取りに来る。1ヶ月の200時間コースが50,000〜150,000INR(約9万〜27万円)で受けられる。日本で同等の認定を取るコストの3分の1以下になることが多い。
週末旅行でリシケシュに行くだけでも、デリーから電車で4〜5時間。アシュラムの朝のクラスに参加し、ガンジス川の朝の礼拝(アールティ)を見る体験は、インド在住者の特権的な機会だ。
都市部のスタジオ
デリー・ムンバイ・バンガロールには欧米水準のヨガスタジオが多い。1クラス500〜1,500INR(約900〜2,700円)で、エアコンの効いたきれいな環境でヨガができる。日本のスタジオとほとんど変わらない体験だ。
月額制メンバーシップは5,000〜15,000INR(約9,000〜27,000円)が相場。アシュタンガ・ヴィンヤサ・陰ヨガ・プラナヤーマなど、種類も豊富。インド人の参加者と一緒に英語で受けるクラスは、想像より楽しい。
「本物」とは何かという問い
インドに来てヨガをすると、「本物のヨガとは何か」という問いに直面することがある。
聖地で教えている先生が必ずしも「深い」わけではなく、都市のスタジオで教えている外国人トレーナーが素晴らしい場合もある。アシュラムの環境が厳しいから修行になる、という単純な話でもない。
ひとつ確かなのは、インドで習うヨガには「ヨガがどういう文脈から来ているか」を体感する機会がある、ということだ。言葉ではなく空気として感じる何かが、本場には残っている。
日常的なウェルネス
ヨガに限らず、インドには伝統医学アーユルヴェーダもある。アーユルヴェーダ・クリニックでのマッサージ・浄化療法(パンチャカルマ)は観光客だけでなく、在住者が定期的に受けることもある。1〜2時間のオイルマッサージで3,000〜8,000INR(約5,400〜14,400円)前後。
インドの生活は確かに体に負荷がかかる面がある。その同じ土地に、体を整える知恵が豊富に残っている。そこに意識的に手を伸ばすかどうかで、インド生活の質感が変わる。