コルカタ——インド文化の首都・文学・映画・知識人の都市
かつての大英帝国の首都コルカタは、ラビンドラナート・タゴール、サタジット・レイを生んだ文化の都。在住外国人が感じる街の独特な空気と生活事情を解説します。
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コルカタを初めて訪れた在住外国人が口を揃えて言う言葉がある。「インドの他の都市とは明らかに違う」。ムンバイのビジネスパワー、デリーの政治的エネルギーとも異なる、書物と芸術が漂う独特の空気がこの街にはある。
文化の首都としての歴史
1911年まで大英帝国インドの首都だったコルカタ(旧カルカッタ)は、植民地時代から教育・文化・出版の中心地として機能した。ノーベル文学賞を受賞したラビンドラナート・タゴール(1913年)、映画界の巨匠サタジット・レイ(「大地のうた」三部作)、経済学者アマルティア・センをはじめ、インドを代表する知識人の多くがベンガル出身だ。
コーヒーハウス(Indian Coffee House)での議論文化は今も生きており、作家・学者・学生が顔を合わせて議論する空間が残っている。
在住外国人の生活
コルカタは外国人赴任者が多い都市ではないが、NGO・国際機関・文化交流機関(日本文化センター等)の関係者が一定数いる。
家賃はインドの大都市の中では比較的安く、アリポル・バラリアット・ゴルパーク周辺の外国人向けアパートで2BHKが月20,000〜40,000ルピー(36,000〜72,000円)程度。
気候は夏が非常に暑く(4〜6月は35〜42℃)、モンスーン期の湿度が高い。冬(12〜2月)は20℃前後で過ごしやすい。
食文化——ベンガル料理の豊かさ
コルカタのベンガル料理は魚・野菜を中心にした洗練された料理文化を持つ。日本人の口に合いやすい食文化で、「インドで一番食事が合う都市」と感じる在住者もいる。有名なカリーは赤くて辛いものではなく、マスタードオイルと魚のハーモニーが特徴的だ。
街に溶け込む時間があるなら、コレジカレッジストリートの古書店街や、ヴィクトリア記念堂周辺を散歩するだけで、コルカタの独特な文化的密度を感じられる。