フォルフェッターリオ税制——フリーランサーの15%固定税率制度
イタリアのフリーランサーや個人事業主向けの優遇税制「レジーメ・フォルフェッターリオ」。年間売上85,000EUR以下の事業者に適用される15%(または5%)の固定税率制度を解説する。
この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年4月時点)。
イタリアで個人事業主やフリーランサーとして活動する場合、Regime Forfettario(レジーメ・フォルフェッターリオ:定額課税制度)の適用を検討する価値がある。年間売上(Ricavi)が€85,000(約1,360万円)以下の事業者が対象で、実際の経費を計上する代わりに、業種ごとに定められた「みなし経費率(Coefficiente di Redditività)」を使って課税所得を計算する。
税率 課税所得に対して15%の固定税率が適用される。新規開業後5年間(または一定条件下)は5%に優遇されるケースもある。通常のIRPEF(所得税)の累進税率(23〜43%)と比較すると、中程度の売上であれば大幅な節税効果がある。
計算例 コンサルタント(みなし経費率78%)が年間€50,000(約800万円)の売上を上げた場合:
- みなし所得 = €50,000 × (1 - 0.78) = €11,000
- 税額 = €11,000 × 15% = €1,650(約264,000円)
注意点 フォルフェッターリオ適用中は消費税(IVA)の徴収・申告が不要になる(顧客へのインボイスにIVAを記載しない)。これはBtoC取引では有利だが、IVA還付を期待する法人クライアントからは「IVA登録事業者を選びたい」と言われることがある。また雇用関係(会社員)と兼業する場合は適用条件が変わるため、会計士(Commercialista)への相談が現実的だ。
フォルフェッターリオの制度は年によって変更されることがある。最新の適用条件は国税庁(Agenzia delle Entrate)のウェブサイトか会計士を通じて確認するといい。