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高齢者文化——98歳まで自立するイタリアの長寿文化とコミュニティ

イタリアは世界有数の長寿国だ。特にサルデーニャ島はブルーゾーンの一つとして知られる。地中海食・家族の絆・社会的活動が長寿を支えるメカニズムと在住者が感じる高齢者文化を伝える。

2026-04-21
長寿高齢者ブルーゾーン地中海食コミュニティ

この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年4月時点)。

サルデーニャ島のバルバーリャ地方には、100歳以上の男性が世界平均の10倍以上の割合で住んでいると研究者に報告されたエリアがある。「ブルーゾーン(Blue Zone)」と呼ばれる世界5つの長寿地域の一つだ。イタリアは全体として平均寿命も長く(男性81歳・女性85歳前後、WHO等のデータより)、高齢化が進みながらも「高齢者が社会に参加し続ける」文化を維持している。

コミュニティの役割 イタリアの高齢者が引退後も活発でいられる背景には、強いコミュニティネットワークがある。毎日バールで顔見知りとコーヒーを飲み、日曜の家族ランチに参加し、近所の人と立ち話をする——このルーティンが社会的孤立を防ぐ。

日本の高齢者施設に相当するRSA(Residenza Sanitaria Assistenziale)は存在するが、イタリアでは「老いても家族と共に暮らす」が主流の価値観だ。祖父母が孫の世話をし、その孫が大きくなると祖父母の世話をする相互扶助の構造が文化的規範として機能している。

地中海食との関係 地中海食(Dieta Mediterranea)は2010年にユネスコ無形文化遺産に登録されている。オリーブオイル・野菜・豆類・魚介類・ナッツ・赤ワインを中心とした食事パターンが心臓病・糖尿病・認知症のリスクを下げるという研究が複数ある。

在住外国人が感じるのは、高齢者が「隠退している」という雰囲気ではないということだ。70代でも毎朝バールに来てエスプレッソを飲み、政治の話をし、孫の自慢話をする。老いと社会が切り離されていない様子は、日本から来た在住者に特に印象的に映る文化的差異だ。

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