イタリアで部屋を借りるまで:外国人が知らないと損をする賃貸の慣行
イタリアの賃貸契約には「カウツィオーネ(保証金)」「アフィッット・イン・ネーロ(無申告賃貸)」など独特の慣行がある。法律と現実のギャップを理解した上で契約するための基礎知識を紹介する。
この記事の日本円換算は、1EUR≒163円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。
イタリアでアパートを借りようとすると、日本とは違う慣行に次々と出会う。「3ヶ月前の告知が必要」「保証金は家賃の3ヶ月分」「家具なし(unfurnished)が多い」——これらを知らないと契約後に困る。
主な契約形式
イタリアの住宅賃貸契約は主に2種類ある(出典:イタリア賃貸法 L.431/1998)。
- 4+4(quattro più quattro): 4年契約、更新で追加4年。最も一般的な長期賃貸
- 3+2(tre più due): 3年契約、更新で追加2年。家賃は政府が定める上限あり(Canone concordato)
短期(1〜12ヶ月)の「uso transitorio(一時使用)」契約もあるが、用途制限があり外国人の短期滞在には適することもある(推定)。
保証金(カウツィオーネ)
通常、家賃2〜3ヶ月分の保証金(cauzione)を契約時に支払う。退去時に原状回復後に返還されるが、家主が理由なく返さないトラブルもある(推定)。
「黒い賃貸」問題
アフィッット・イン・ネーロ(affitto in nero、ブラック賃貸)とは、税務署への申告なし・正式契約書なしの賃貸だ。家賃が安くなることがあるが、借り手側にもリスクがある。
居住証明が取れない(住民登録に必要)、問題が起きても法的保護が受けにくい——これらが代表的なリスクだ。
不動産エージェンシー(アジェンツィア・イモビリアーレ)
不動産仲介業者に依頼すると、通常は月額家賃の1ヶ月分(ときに2ヶ月分)の仲介手数料が発生する。借り手・貸し手の両方から取るケースも多い(推定)。
外国語対応の不動産業者を探す場合、英語対応を明示している会社か、日本語対応ができる業者を探すことで交渉がスムーズになる。
家具あり・なし
イタリアの賃貸物件は「家具なし(vuoto)」が多い。キッチン設備すら最低限のことがある。「家具付き(arredato)」は少なく、割高になることが多い(推定)。
駐在員や短期滞在者が家具を揃える場合、IKEAはローマ・ミラノ・トリノ等に店舗がある。セカンドハンドはイタリア版フリマアプリ(Subito.it等)が使える。
物件探しはimmobiliare.it(イタリア最大の不動産ポータル)が定番だ。「外国人が安心して借りられる物件」を見つけるには、コミュニティの紹介が最も確実という在住者の声は多い(推定)。