ローマ教皇とバチカン——世界最小国家と隣で暮らすカトリック文化
面積0.44km²の世界最小国家バチカン市国がローマの中に存在する。教皇の影響力、現代イタリア人とカトリックの複雑な関係、在住者がバチカンを日常的に体験する方法を伝える。
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ローマのテヴェレ川西岸、城壁に囲まれた面積0.44km²の「国」がある。バチカン市国だ。独自の通貨(バチカン記念コイン)・郵便局・放送局・警察(スイス衛兵)を持つ主権国家で、世界約13億人のカトリック信徒を統括するローマ教皇の居住地でもある。
毎週日曜日の正午、サン・ピエトロ広場では教皇の「アンジェルスの祈り(お告げの祈り)」が行われる。晴れた日には数千人が広場に集まり、教皇がバジリカ上部の窓から手を振る光景は、何度見ても独特の迫力がある。入場無料で誰でも参加でき、ローマ在住者の一部は月に一度この体験を日課にしている。
現代イタリア人とカトリックの距離感 イタリアは国民の約80%がカトリック洗礼を受けているが、日曜ミサに定期的に出席する人は近年減少している。若い世代を中心に「信仰は持っているが教会には行かない」という距離感を持つイタリア人が増えており、宗教は文化的アイデンティティの一部として機能している側面が強い。
一方でクリスマス・イースター(Pasqua)・聖人の日(オノマスティコ)は今もイタリア人の生活に深く根づいており、これらの日には家族が集まり、街の店が一斉に閉まる。
バチカン美術館はミケランジェロのシスティーナ礼拝堂天井画(「天地創造」)を擁し、年間600万人以上が訪れる観光地だ。入場料は€17〜€21(約2,700〜3,360円)程度(時期により変動)。ローマ在住者は空いている早朝の時間帯か、平日の閑散期を選んで訪れることが多い。