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フェッラゴスト(8月15日)——イタリアが止まる夏の大型連休

8月15日の「フェッラゴスト(Ferragosto)」を中心とした夏の長期休暇はイタリア社会に深く根付いている。店が閉まる都市・帰省・海水浴の実態と在住外国人の過ごし方を伝える。

2026-04-27
フェッラゴスト夏休み祝日イタリア文化生活

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8月中旬、イタリアの都市では「Chiuso per Ferie(夏季休業中)」という貼り紙が至るところに現れる。レストラン・食料品店・美容院・診療所まで、実に多くの店がまとめて閉まる。これがフェッラゴスト(Ferragosto)を中心とした夏の長期休暇の現実だ。

フェッラゴストは元々ローマ帝国時代の農閑期の祭典「フェリアエ・アウグスティ(Feriae Augusti)」に由来するとされ、カトリックの聖母被昇天祭(8月15日)と重なって定着した。8月中旬(多くの場合8月10日〜20日前後)には、イタリアの全国民が一斉に休暇を取るような状態になる。

都市が空になる ローマやミラノの都心部は8月中旬に人口が激減する。渋滞がなくなり、地下鉄も空いている。それと引き換えに営業している店が少なく、緊急の用事(医療・行政手続きなど)は時間がかかる。

海・山への大移動 イタリア人はフェッラゴストに帰省か海水浴(al mare)を選ぶことが多い。アドリア海沿岸・ティレニア海岸のリゾートは満員になり、ビーチのパラソル(予約制)は数週間前から埋まる。国内の高速道路は「フェッラゴスト渋滞」として悪名高く、8月14〜15日は特に混雑する。

在住外国人の過ごし方 仕事が休みになるこの時期を使って、在住外国人は南イタリアの離島や山岳地帯を旅する人も多い。ローマやミラノに残ると「静かな街を独り占め」という独特の体験ができるが、飲食店が限られる不便さとセットだ。

フェッラゴストは観光客にとっては混雑の象徴だが、在住者にとっては「イタリアが一息つく時間」として季節のリズムの一部になる。

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