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イタリアの地震リスクと住居選び——地震帯の上に暮らす現実

イタリアは欧州有数の地震国で、全国土の約45%が中〜高リスクの地震帯に分類されています。2009年ラクイラ地震、2016年アマトリーチェ地震の教訓から、在住外国人が住居を選ぶ際に確認すべきポイントを解説します。

2026-05-28
地震耐震住居安全災害

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「イタリアで地震?」と驚く人がいるが、イタリアは欧州で最も地震が多い国の一つだ。アフリカプレートとユーラシアプレートの衝突帯の上に国土があり、過去100年で死者1,000人を超える地震が複数回起きている。日本人にとって地震は日常だが、イタリアの建物の多くは耐震基準が日本とは全く異なる。

地震リスクゾーンの分類

イタリアの自治体は地震リスクに応じて4段階に分類されている。

ゾーンリスク該当地域の例
Zona 1最高ラクイラ、カラブリア、シチリア東部、カンパニア内陸部
Zona 2ウンブリア、マルケ、エミリア=ロマーニャ南部、フリウリ
Zona 3ローマ、ミラノ、トリノ、ボローニャの一部
Zona 4サルデーニャ、ロンバルディア平野部

ローマは「Zona 2〜3」、ミラノは「Zona 3〜4」に分類される。

建物の耐震性

問題は古い建物だ。イタリアの耐震建築基準(NTC=Norme Tecniche per le Costruzioni)が本格的に強化されたのは2008年。それ以前、特に戦前〜1960年代に建てられた石造り・レンガ造りの建物は、耐震設計がなされていないことが多い。

2009年のラクイラ地震(M6.3、死者309人)では、中世からの石造建築が多数倒壊した。2016年のアマトリーチェ地震(M6.2、死者299人)も、古い石積み建築の倒壊が被害を拡大させた。

一方で、1990年代以降に建てられたRC造(鉄筋コンクリート)の建物は、一定の耐震基準を満たしている。

在住外国人が住居選びで確認すべきこと

  1. 地震ゾーンの確認: 自治体のウェブサイトまたはProtezione Civile(市民保護局)のサイトで確認できる
  2. 建物の築年数: 不動産契約時にanno di costruzione(建築年)を確認する。2008年以降の新築なら現行の耐震基準に適合している可能性が高い
  3. 建物の構造: 石造り(muratura in pietra)よりRC造(cemento armato)の方が耐震性は高い。ただし築年数による
  4. sismabonus(耐震改修ボーナス): 物件オーナーが耐震改修工事を行った場合、最大85%の税額控除が受けられる制度がある。改修済みかどうかを確認するのも一つの方法

地震発生時の対応

イタリアの緊急通報番号は 112(EU統一番号)。Protezione Civile(市民保護局)が災害対応を統括する。

自宅では日本と同様にテーブルの下に入る、建物から離れる等の基本動作が推奨されている。ただし、イタリアの古い建物は日本のように「揺れても倒壊しにくい」設計にはなっていないことを前提に行動する必要がある。

イタリアのスマートフォン向け防災アプリ「IT-alert」が2024年から全国展開されており、地震・津波・大規模事故の警報がプッシュ通知で届く。在住外国人も端末の設定でIT-alertの通知を有効にしておくことを推奨する。

日本人は地震慣れしている分、イタリアの建物の耐震性を日本基準で考えがちだ。しかしイタリアの古い建物は「揺れない前提」で建てられている。その前提の違いを認識しておくことが、住居選びの出発点になる。

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