ナヴィリ運河——ミラノの水路沿いのアペリティーボ文化と再開発
ミラノのナヴィリ(Navigli)地区は運河沿いのバール・レストランが集まるアペリティーボの聖地だ。週末の混雑、地元民の生活、ナヴィリ再開発計画の現状を解説する。
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木曜の夕方18時すぎ、ミラノのナヴィリ・グランデ(Naviglio Grande)沿いのバールのテラス席が埋まり始める。バールのカウンターではカンパリ・スプリッツやネグローニが注がれ、小皿に並ぶつまみ(スタッツィーニ)が並ぶ。これがミラノのアペリティーボ(食前酒)文化の核心部だ。
ナヴィリ地区はレオナルド・ダ・ヴィンチが設計に関わったとされる運河網の一部で、かつてはミラノの物資輸送の大動脈だった。現在は倉庫・工場跡が改装されたバール・オステリア・アトリエが並ぶ、ミラノで最もローカルな雰囲気のある地区の一つだ。
アペリティーボ文化の実態 ミラノのアペリティーボはイタリアの食前酒文化の中でも独特の発展を遂げた。多くのバールでは「ドリンク1杯€8〜€12(約1,280〜1,920円)でバッフェ食べ放題」という形式を採っており、夕食代わりになることもある。17〜21時の間にカウンターに料理が並び、客は飲みながら自由に取る。
週末は混雑する 金曜・土曜の夜のナヴィリは観光客・地元若者・在住外国人が入り混じって大変な混雑になる。立って飲む人が道にあふれ、夜遅くまで話し声・音楽が響く。この騒がしさを嫌う地元住民も少なくなく、騒音問題は長年の課題だ。
再開発計画 ミラノ市は長期計画として市内の運河網を再整備・一部復活させる「Navigli Rinascerà(ナヴィリ復活)」計画を持っているが、資金・合意・工期の問題から実現時期は不確定だ。実現すれば市内に新しい水辺空間が生まれる可能性がある。