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秋夕(チュソク)の一週間、ソウルは別の街になる——在住者が備えるべき五つのこと

秋夕の連休は店が閉まり、道が混み、病院が休む。在住外国人にとっては生活の前提が変わる期間だ。事前に何を確認し、何を準備しておくかを実務的に整理する。

2026-09-17
秋夕祝日生活準備韓国

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秋夕(추석)の連休中、ソウルの繁華街で地下鉄に座れます。普段は人でいっぱいの通りが静かになり、代わりに高速道路が動かなくなる。人口の大きな塊が、数日かけて地方へ移動して戻ってくるからです。

旧暦八月十五日を中心とした韓国最大の祝日で、西暦での日付は年によって動きます。おおむね九月から十月にかけてのどこか。在住者にとって重要なのは、行事の意味より、この期間に生活のインフラがどう変わるかです。何も準備せずに突入すると、単純に困ります。

変わること①:店が閉まる

連休中、多くの店が休みます。特に個人経営の食堂、市場の店、小規模な商店。

大型のスーパーやデパートも、休業日が設定されることがあります。コンビニは開いていることが多いですが、品揃えは通常時と変わります。

つまり、普段の食事の選択肢がごっそり減ります。三日から五日分の食料を事前に確保しておくのが基本の備えです。特に、いつも通っている店が閉まる前提で考えてください。

デリバリーアプリは稼働していることが多いものの、配達員も休むため、対応する店舗と時間帯が限られます。あてにしすぎない方が安全です。

変わること②:病院と薬局

これが一番重要です。連休中、多くの医院と薬局が休みます。

持病の薬がある人は、連休をまたいで足りるかを事前に確認してください。処方が切れるタイミングが連休中に来ると、手に入らない期間が発生します。歯科のように複数回の通院で完結する治療も、連休を挟むと工程が一週間ずれます。仮の詰め物のまま長く放置するのは避けたいので、九月初旬の予約を取る段階で連休の位置を確認しておくといい。

急病の場合は、休日診療を行っている医療機関や、大きな病院の救急外来が受け皿になります。当番の医療機関の情報は、自治体や公的機関が案内している場合があるので、連休前に自分の居住地域の情報源を確認しておくと安心です。

常備薬——解熱鎮痛剤、胃薬、絆創膏——を切らさないようにしておく。これだけで、かなりの安心が得られます。

変わること③:交通が極端になる

連休の初日と最終日は、高速道路と鉄道が非常に混雑します。帰省の移動が集中するためです。

一方、連休の中日はソウル市内が驚くほど空きます。普段は人でいっぱいの繁華街が静かになり、地下鉄も座れる。この時期のソウルは、別の街のように見えます。

移動の計画としては、こうなります。

長距離移動をするなら、切符は早めに押さえる。高速鉄道の予約は競争が激しくなります。市内の移動をするなら、連休の中日が快適です。空港へ向かうなら、通常より大幅な余裕を見る。

変わること④:行政・銀行が止まる

役所、銀行の窓口、その他の公的サービスが休みになります。

ビザの更新期限、契約の締結日、支払いの期日が連休にかかっていないかを確認してください。特に在留資格に関わる期限は、連休を挟むと取り返しがつかない事態になりかねません。

金融関連も同じです。家賃の振込日が連休明けに寄ると、窓口が混みます。送金の限度額が足りないことに前日に気づいても間に合わないので、チョンセやウォルセの支払いスケジュールと連休の日程は、並べて見ておく価値があります。

オンラインで完結する手続きは動く場合がありますが、認証や書類の受け取りが窓口を必要とする場合は止まります。

変わること⑤:職場の空気

秋夕の前には、贈答のやりとりがあります。会社から社員へ、取引先へ、目上の人へ。

在住外国人としては、職場の慣習に合わせるのが無難です。同僚に何をするか聞いておく。デパートやスーパーには、この時期に贈答用の詰め合わせが大量に並びます。予算帯も幅広く、迷ったら定番のものを選べば失礼にはなりません。

もらった場合は、その旨を伝えて感謝を示す。返礼の必要があるかどうかは関係性次第なので、これも周りに聞くのが確実です。

帰省しない人の選択肢

在住外国人の多くは、この期間に帰省先がありません。ソウルに残ることになる。

この時期のソウルは、実は狙い目でもあります。人が減った市内で、普段は混んでいる場所が静かになる。宮殿や博物館は、祝日に特別開放や無料開放を行う場合があり、伝統遊びの体験行事が催されることもあります。開催状況は年によって変わるので、各施設の公式案内を確認してください。

山も同じです。帰省の車が高速道路に集中している間、地下鉄で行ける登山道は紅葉の最盛期ほど混みません。市内が空いているタイミングで、普段は行列ができる場所に行っておく。連休を「何もできない期間」ではなく「普段できないことができる期間」として使う手はあります。

もう一つ、日本への一時帰国先として使う手もあります。ただし航空券は高騰しやすい時期なので、早期の手配が必要です。

秋夕は、秋の入口にある

連休の位置を気候の側から見ると、備えの優先順位が決めやすくなります。

朝鮮半島の気候は大陸性の性格が強く、季節の移行が速い。海に囲まれた地域では水の熱容量が緩衝材として働きますが、大陸の影響が強いとその緩衝が弱まります。だから韓国の秋は、日本のようにだらだら続かない。

順序としてはこうです。九月はまだ夏の名残があり、日中の気温が高い日があって、台風の影響を受ける可能性も残る。十月は湿度が下がり、多くの人が一年で最も過ごしやすいと感じる時期。そして十一月に入ると、数日で体感がまったく変わるほど急に冷え込みます。

秋夕が九月に来る年と十月に来る年では、この位置がずれます。九月なら台風で交通が乱れる可能性を見込む。十月なら紅葉の混雑と重なる可能性がある。連休の日程が分かった時点で、その年の秋のどこに落ちているかを確認しておくと、移動の計画が立てやすくなります。

暖房の準備は十月中に済ませるのが安全です。集合住宅の暖房は共用の設備で管理されていることがあり、稼働開始の時期が決まっている場合があります。連休で管理事務所が閉まる前に、動作を一度確認しておく。

秋夕が何を祝う日なのか

備えの話ばかりになりましたが、行事そのものにも触れておきます。

秋夕は収穫を祝い、祖先に感謝を示す日とされています。中心にあるのは、祖先への儀礼と、墓の手入れです。家族が集まり、祭祀のための食事を準備し、故郷の墓を訪ねる。

日本のお盆と機能が近いのですが、旧暦に基づく点と、祭祀の形式が異なります。松葉を敷いて蒸す송편(ソンピョン)という餅がこの時期の食べ物で、これは自宅で家族が一緒に作る習慣と結びついてきました。

近年は、この形式が変化しつつあるとも言われます。集まる規模が小さくなり、外食や既製品で済ませる家庭も増えている。準備の負担が特定の立場に偏る問題が指摘されてきたこともあり、慣習は動いています。


秋夕への備えは、食料・薬・交通・期限・贈答の五点です。生活インフラの前提が数日間変わるので、事前の確認が効きます。そのうえで、人の減ったソウルという普段は見られない状態を歩いてみると、この街がどれだけ人の流れでできているかが分かります。

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